ドリーに続け:ペルー初のクローン牛が誕生

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ペルーのアマゾン地域の学者が牛の耳の細胞からクローンを作ることに成功した。この功績は90年代にクローン羊のドリーがつくられたのと同種のものであり、絶滅の危機に瀕した野生動物の保存に新たな展望をひらくものである。

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アルマC1と名付けられた仔牛は、一見したところ普通の牛に見えるかもしれないが、実は、今は亡き別の牛の完全なコピーである。アルマはペルー初のクローン動物となった。アルマ作成チームのメンバーであるトリビオ・ロドリゲス・デ・メンドーサ大学(UTRM)のルイス・ムルガ(Luis Murga)博士は「これは研究者にとって大きな意味を持つ」とスプートニクに語った。

アルマC1の作成には「ハンドクローニング」法が用いられた。まず牛の卵細胞を取り出し、核を除去する。その後、そこに他の牛の耳の皮膚細胞の遺伝子情報を注入する。こうして胚ができあがる。この胚を別の動物の子宮に移植し、アルマC1を胎内で育てさせたのだ。ラテンアメリカでこの手法を用いたことがあるのはチリだけである。

プロジェクトに参加した生物学者のヘニン・コルテス(Jenín Cortez)氏は次のように説明する。「この手法では、クローンを作製しようとする動物から、どの器官のものでもいいので、組織を採取します。私たちは牛の耳から皮膚を採取しましたが、軟骨でも血液でも、どんな種類の細胞でも構いません。なぜなら、すべての細胞がその中にDNAを有しているからです。私たちはそれを体内環境から試験管に移し、その後、胚を培養します。」

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コルテス氏によると、アルマC1は「仔犬に似ている」という。彼は次のように付け加えた。「アルマC1はいつも私たちや、自分の世話をしてくれる人のそばにいて、構ってもらおうとしています。彼女はとても自己主張が強く、来客が大好きで、誰が入ってきて、誰が出て行ったのかをよく見ています。彼女は美しいだけでなく、とても聞き分けのいい子です。」

クローン技術は絶滅危惧動物の個体数回復に希望をもたらすものである。現在、ペルーの研究者が目標としているのは、こうした絶滅危惧種に「ハンドクローニング」法を用いることである。UTRMは「絶滅の危機にある家畜や野生動物の遺伝子資源バンク」の創設に取り組んでいる。

コルテス氏は言う。「これは細胞版のノアの方舟です。私たちは品評会で優勝した動物、つまり国内で最も優れた動物のサンプルを遺伝子保存のために集めました。このほか、メガネグマやアンデスネコやクルペオギツネなど、絶滅の危機に瀕した野生動物の細胞も保存しています。」

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