アニメ監督の細田守氏が幸せとアニメの未来についてSputnikに語った

© AFP 2023 / Ander Gilleneaアニメ監督の細田守氏が幸せとアニメの未来についてSputnikに語った
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日本のカリスマ的アニメ監督の細田守氏は3年に一度アニメーション映画を発表している。前作「バケモノの子」は上映開始からわずか2日で「ターミネーター:新起動 ジェニシス」を興行収入で追い抜き、上映期間中の観客動員数は400万人、日本での興行収入は約50億円にのぼった。細田氏がこれまでの失敗や作品に活かされた人生経験、次回作の製作の秘密をSputnikのクセーニヤ・ナカ記者に語った。

細田氏の映画には必ず2つの世界が登場する。細田氏は「同じ出来事というものはまず存在しない。その出来事の意義は、何か別のものと対置することでより際立つ」と指摘する。また彼は「都市には都市の利点があり、田舎には田舎の良さがある。対比することは選択を意味するのではなく、比較することで、どちらにも良さがあることを示したいという思いで描いている」と語る。

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監督にとって最も興味深いテーマは大人になる過程だという。細田氏は「人がどのように変わっていくのかは、映画にすべき内容だ」と考える。監督が何よりも関心を抱いているのは、人が変わることのできる自由である。「これはまさに自分探し、アイデンティティ探しとつながっている。自分探しは、その人がどこに住んでいるかに関係なく、誰にとっても最も重要なことであり、自分にとって何が幸せなのかを理解しようとする試みだ。自分を理解するということは、何が自分の幸せなのかを理解することだ。何が自分の幸せなのかを理解することは、すなわち自分を理解することを意味する」と細田氏は語る。

監督は映画作りを自分自身の経験・感動・感情を消化する方法だと捉えている。例えば、母親の死に向き合ったときの苦しみは「おおかみこどもの雨と雪」に活かされている。また、日本アカデミー賞を受賞した「バケモノの子」には初めて父親になったときの感動を投影した。細田氏によると、来年明らかになる次回作もまた、自らの経験に基づくものになるという。

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細田氏はいつも映画上映中の観客の顔を記憶するよう心がけており、その観客の印象をもとに、毎回彼らに新たな驚きをもたらそうと努力している。細田氏は次のように語る。「これは客人に料理を振る舞うのと似ている。美味しくできて気に入ってもらえたら、次は別の料理でも美味しいと感じてもらいたいと思う。おそらくそういう論理だ。」
アニメーションの未来に対する細田氏の見方は決して楽観的とは言えない。かつてはアニメーション表現に多様性があり、地域ごとにアニメーション映画製作の伝統や技術に差異があったと監督は指摘する。現代ではほぼすべての映画がCGで製作される。細田氏は「手描きのアニメーションには他では真似できない独自の技術、美しさ、価値がある」と言う。細田氏は大多数の意見におもねることなく、今後も出来る限り長く手描きの作品を作り続けていく。

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