真珠湾:倒されし敵はいかにして同盟国となったか?

© REUTERS / Kevin Lamarque真珠湾:倒されし敵はいかにして同盟国となったか?
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暮れも押し詰まった今週、安倍首相は、今からちょうど75年前、1941年12月に日本が米海軍基地を奇襲攻撃したハワイを2日間、訪問している。この訪問の目的は、真珠湾で亡くなった2千5百人以上の米国人の慰霊とみなされている。

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複数の専門家らは、今回の安倍首相の真珠湾訪問は、全く予想されたものだったと捉えている。今年5月、米国のオバマ氏は、現職大統領として初めて広島を訪れたが、まさにそれによって両国の最高首脳は、互いに日米軍事同盟の意義を確認したのである。

しかし、倒されし敵は、いかにして米国の主要な同盟者となったのだろうか? 日本軍による真珠湾攻撃後、どのように戦略的同盟が築かれていったのか? 何が、それに影響を及ぼしたのか? こうした問いに対し、ロシア大統領付属戦略調査研究所のイーゴリ・プシェニチニコフ所長顧問は、スプートニク記者のインタビューに次のように答えている-

「米国は、真珠湾での奇襲攻撃に仰天した。この作戦は、疑いなく、日本側に一時的な勝利をもたらした。しかしまもなく、ソ連の偉大な努力と膨大な犠牲のおかげで、戦いの趨勢は、反ヒットラー連合側に有利となった。その後、米国は、真珠湾での屈辱に対し日本に猛然と復讐したが、その時期までに軍国主義日本は、すでに疲弊し、事実上敗北しており、降伏まで残りわずかだった。それにもかかわらず、また戦略的必要性もないのに、米国は、広島と長崎に原子爆弾を投下した。米公式当局は、これまで原爆投下が持つ倫理的問題を提起してこなかった。米当局にとって、真珠湾攻撃が、原爆使用を倫理的に正当付けるものとなったのである。しかし当時すでに原爆の使用は、米国にとって遠い先を見通した野心的な計画だった。米国にとって最も有利な条件下で、日本に勝利するために必要だったのだ。ワシントンにとって何が得だったのか、それは、その後の歴史が納得できるように示したように、アジアのおける軍事的独占である。」

戦争は、単に終結しただけではなかった。1945年の日本の全面降伏後、米国は、日本国内での自分の立場をしっかり強化し、何千人もの限定兵力を配備した。その結果、米国は、ソ連との冷戦に対抗するため日本全体を不沈空母に変えたのである。「ソ連崩壊後でさえ、米国は、自分達のプランを変えなかった」-このように指摘したプシェニチニコフ所長顧問は、次のように続けた-

「日本領内にある94の軍事基地は、アジア太平洋地域における米国の最も大きな軍事プレゼンスである。その際、日米安保条約は、日本にとって全く明白な隷属的性格を持っている。米国は、在日米軍基地を完全に自分達の判断で使用する権利を持ち、そこに必要とみなすあらゆるもの。米国防総省にとって必要な兵器や武器、部隊を置くことができる。このように日米安保条約では、米国は宗主国であり、日本はその家来、属国に過ぎない。」

ただ米国には、あらゆる侵略から日本を「守る」義務があるとされている。ロシアは日本を攻撃するつもりはないが、いつか米国が機を見て「北方領土」問題を、ロシアの東部国境に状況不安定化の温床を作り出すための切り札として用いないと、誰が約束できるだろうか。なぜなら、そうした事は世界の他の地域でもう、一度ならず起きているからだ。

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韓国、ロシアのミサイル撃墜を準備
プシェニチニコフ所長顧問は、インタビューの最後に次のように述べた-

「日本に集結した米国の軍隊は、紙の上だけでは、日本人の利益を守るためのものとされている。しかしその本質は、ロシアに向けられたものだ。米国が『即応グローバルストライク』(PGS)兵器システムの開発と実現に力を入れている条件のもと、在日米軍基地が、そのゲームの中でも始動することは疑いない。それゆえ、ロシアがクナシリ、エトロフに最近『バスチオン』及び『バル』といった沿岸ミサイルシステムを配備したことは全く理に適っている。

ロシアは、日本が文字通り、米軍基地でいっぱいな条件のもと、対抗的防衛措置を取らざるを得なかったのだ。まして近く日本に、もうすぐ韓国に置かれることが決まっているような、米国の対ミサイル防衛システムが現れる可能性がある。」

真珠湾攻撃後、戦争末期に原子爆弾を投下された日本は、強制的な形で、米国にとってつい最近まで反ヒトラー連合の同盟国であったソ連に対する確実な軍事的進攻基地とならざるを得なかった。日本政府は、日本国内に対ミサイル防衛システムを置くべきか置かぬべきかという問題解決において、自分達が米国の対等なパートナーでは全くないことを、非常によく理解している。そうした状況は、1945年から現在に至るまで、実は変わっていないのである。

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