日本は支払うのか?

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今月10日の日米首脳会談を前に、2月初旬には日本の稲田防衛相と米国のマティス国防長官の会談が行われる予定だ。

当初、国防相会談でマティス国防長官が日本の防衛費増大を求めるとの懸念が広がったが、マティス国防長官は、会談でこのテーマを提起しないと発表。また、安倍首相はトランプ大統領との会談で、地域での米国の強い軍事的プレゼンスを保つ問題を話し合う意向であることが明らかになっている。

日本の防衛費増大という重要なテーマの提起に双方が今すぐ合意するとは思わないが、この問題が議題から完全に外されたわけではない。日米の今後の軍事協力は、米国側の要求にもよる日本の軍事費増大と直接関係している。

まずは日本の防衛費と防衛費の構造に目を向けよう。2015年度予算96兆3000億円のうち、防衛費は4兆9800億円で予算の5.1%を占めていた。それが2年後の2017年度には予算97兆4500億円のうち防衛費は5.1兆円と予算の5.2%に達した。つまり日本の防衛費はすでに数年に渡り着実に伸びており、予算に占めるその割合も伸びている。

防衛費のうち7600億円は米軍駐留負担費に上り、防衛費の15%に当たる。なお参考までに、防衛費に占める割合は、隊員の教育訓練費が24.1%、新たな装備や兵器の購入費が16.4%。そして、米軍駐留総費用に対する日本の負担は54%。とはいえ、元々の協定では日本側からの負担は想定されていなかったことは指摘しておこう。

2017年、米軍駐留費が伸びることは明白だ。というのも、普天間基地を四方から住宅地に囲まれた沖縄本島中部から東岸の辺野古市へ移す移設工事費に1500億円が要求されたためだ。つまり、日本の負担費は9100億円にまで増えるのだ。

以上が全体像だ。こうして見て行くと日本への要求における米国の戦略を想定し、それがどのような結果をもたらすかを評価できる。

1つ目の可能性は、米軍駐留費に占める日本の負担割合の急増だ。日本の負担割合を総支出の75%まで増やす問題が提起されるとすれば、日本の負担額は普天間移設の臨時費用を抜いても約100億ドル(約1兆1200億円)にのぼってしまう。追加費用をカバーするため、さらに3370億円を探す必要が出てくるのだ。これら資金は防衛費の内訳の再分配によって得られるかもしれない。また、合意がなされた場合、日本が基地移設や拡大費用すら負担する可能性がある。

2つ目の可能性は、米国製兵器の購入を増やすことだ。トランプ大統領のプログラムの重要なテーゼの1つは、雇用の創出からなっており、軍事産業向けの注文は雇用創出を助ける。しかし、ここで日本ができることはいささかつつましく、米国からの購入額を増やすといっても年間10億から20億ドル以上は恐らく期待できない。しかも、米国からの兵器購入を増やすことは、日本企業への注文を減らすことに繋がる。これはもちろん、極めて好ましくない。

3つ目の可能性は、日本は2014年度から、自衛隊を海外へ送る権利を得たため、アフガニスタンのようななんらかの「紛争地域」に大きな部隊を送るよう日本への要求がなされることだ。これは日本にとって、財政的にも社会的観点からも得にならない可能性だ。戦争は現行の費用を要求するだけでなく、戦傷者や戦争により障害を受けた人に対する、向こう数十年間の多額の医療費や年金を生み出す。

もし冗談交じりに海外への自衛隊派遣という問題にアプローチするなら、日本は米国人をメキシコから流れ込む不法移民から守るため、米カリフォルニア州やアリゾナ州、テキサス州に軍事基地を開く用意があると仮定することができる。

いずれにせよ、列挙された可能性のうちのどれに政治家たちが合意するかは時が示す。もしかしたら、何らかの根本的に新たな合意が達成されるかもしれない。

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