ロシアはゴミと日本式に戦う!

© Flickr / Marcus Hanssonロシアはゴミと日本式に戦う!
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ロシアでは、今年をエコロジー年とすることが宣言された。計画では、2940億ルーブルもの資金が用意され、環境保護に関連した600もの様々な行事が行われる見込みだ。その中には、ロシアが抱える最も差し迫ったエコロジー問題の一つ、ゴミ処理問題の解決も含まれている。ロシア国内では、200ものゴミ処理工場が稼働しているが、そこで処理されるのは全廃棄物の7.5%に過ぎない。

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そうしたことから、日本の進んだ技術によるゴミ焼却に期待が寄せられるようになった。プロジェクト実現に着手したのは、国営企業「ロスチェフ」だ。同企業のセルゲイ・チェメゾフ社長は以前「我々は、世界に存在するテクノロジーすべてを分析し、最も良いのは日本の日立(日立造船株式会社)の技術であるとの結論に達した」と述べ「彼ら(日立の)技術は、選別後残っているものすべてを燃やしてしまう。しかしその際、いかなる排出物も出ない。施設には煙突さえない。あるのはフィルターで、そこから出る空気は、街頭のものよりもきれいだ。事実上、廃棄物が出ない。灰は、アスファルトと混ぜて、道路の舗装に使える。我々は交渉し、日本側は、我々とロシアで工場を建設する合弁企業を設立する用意のあることを明らかにした。日本でのように、工場は、環境を害さないものとなると確信している」-そう強調した。

日本の技術を使った5つのゴミ焼却工場の建設に関するパイロット・プロジェクトは、今年2017年に、モスクワ郊外とカザンでスタートする。ロシア全土では、560ものゴミ処理工場の建設が求められている。

ロシア・エコロジー建設評議会のアレクセイ・ポリャコフ理事長はこうした少なくない重要を持つ問題に対するロシアのアプローチについて、スプートニク日本のリュドミラ・サーキャン記者のインタビューに応じ、次のように述べた-

「日本のテクノロジーは、2段階からなっている。まずゴミは単に焼却される。そして出た灰は、完全な不活性物質になるまで、さらに燃やされる。すると初めの質量の20分の1から30分の1となる。日本人達は、この物質を、例えば道路建設や人工島の埋め立て作業などに利用している。

テクノロジーの第2段階は、事実上完全に、排出物をなくすためのものだ。これは、一定の温度で2度焼却することにより、また飛散する塵埃、ダイオキシンその他の有害物質を取り除く特別な装置のおかげで可能となっている。下水処理も、同じように行われる。重要なのは、日本では、汚染物資排出に関し環境衛生上厳しい規範が存在することだ。企業自身も絶えず、排出物の基準やそれに対する管理を厳しくしている。そうした技術や基準のおかげで、日本のゴミ焼却工場は、住居地区でも、公園の近くや川岸でも操業できるのだ。」

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次にスプートニク記者は、日本のそうしたテクノロジーを、ロシアに根付かせることができるかどうか? 聞いてみた。ポリャコフ専務理事は、次のように答えてくれた-

「もし厳しく又正確に、そして徹底的に、そうした技術が求めるものをすべて守るのなら、イエスだ。しかしロシアの場合、まずゴミの選別の問題がある。異なる種類のゴミが、様々に燃やされ、様々な有害物質が排出されている。仕分けすることなくゴミを燃やすことが、環境面から言っても、経済面から言っても、はるかに大きな問題なのだ。」

最後にスプートニク記者は、現在、日本やオーストリア、スイスなどを含め多くの国々では、環境にやさしいゴミ焼却技術が用いられているが、一方世界では、ゴミと戦う別の方法、物を大事にするやり方に進む傾向もあるが、これについてどう思うか聞いてみた。

ポリャコフ理事長は、次のように述べた-

「その通りだ。問題は、ゴミを最小限にし、リサイクルさせること、つまり廃棄物の再あるいは再々利用だ。将来、ゴミの焼却は、コストが高くつき、100%環境的に安全というわけではないので少なくなるだろう。現在日本の技術は、先進的で安全だとみなされているが、世界は、ゴミを減らし、建材からガラス容器、衣料品に至るまで、それを再利用する方向に進んでいる。このシステムの重要な部分は、何と言ってもゴミの分別だ。日本では、すでに市民が捨てるゴミ収集のレベルで、ゴミの分別が行われている。モスクワ市当局は、我が住民はゴミを分別する用意ができていないと述べている。しかし私の見るところ、市民にゴミ分別を教えるのは、それほど難しくはないが、そのためには、ゴミを捨てるコンテナを分け、市職員によるゴミ収集のやり方も変えなくてはならず、また市民に説明する作業も必要だ。ロシアでは今のところ、そうしたアプローチは行われていない。しかし将来的には現実のものとなり、再生可能な、あるいは循環型経済の基盤となるだろう。」

ロシア・エコロジー建設評議会のアレクセイ・ポリャコフ理事長は、このように指摘している。

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