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射殺された犬は、生後10歳のグリズという政府の航空治安サービスが警備に使う探知犬の雄犬。
マイク・リチャーズ報道官によれば、空港の一般区域に停められていた探知犬チームのワゴン車に乗り込もうとしていたところ、不明の原因で逃げ出してしまい、滑走路に出てしまった。
この事件が起こった直後に、捜索が行われたものの、2時間にわたりグリズを見つけることができなかった。ようやく発見したのに、「誰も近寄らせず、滑走路を横断し続けた」報道官が説明した。
「手は尽くした。食べ物やおもちゃ、ほかの犬たちも使っておびきよせようとしたが、どれもうまくいかなかった」上に、保安区域は「あまりに広大かつ仕切るものが何もない」ため、一時的なフェンスでグリズを追い込むこともできなかったとリチャーズ報道官は明らかにした。
警察官がグリズを射殺したのは、最後の手段だったと報道官は語った。
なぜ麻酔薬で鎮静できなかったのかという質問に対して報道官は、「答えるすべがない。しかし空港に麻酔銃はなかったし、警察にも用意がなかった」と答えた。
ニュージーランドの動物保護団体「セイフ」は、「殺す必要はなかった。とんでもないことだ」と非難している。「セイフ」の広報担当は地元紙ニュージーランド・ヘラルドに対し、「捕獲できなかったのなら、麻酔銃を使うべきだった。麻酔銃がなかったのなら、用意しておくべきだが、オークランド動物園などから借りられたはずだ」とコメントした。