ロシア正教会 聖ニコライの聖骸一部譲渡を日本側に願う用意【写真】

© 写真 : Anna Oralovaロシア正教会 聖ニコライの聖骸一部譲渡を日本側に願う用意
ロシア正教会 聖ニコライの聖骸一部譲渡を日本側に願う用意 - Sputnik 日本
サイン
今年2017年2月から、モスクワ音楽院の正面にある主の昇天寺院で、貴重でかつ今のところロシアでは唯一の聖ニコライ・ヤポンスキイのイコンが見られるようになった。これは、日本人の正教徒でイコン画家のコミネ・ユウコさんが描いたものだ。

スプートニク日本

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プロジェクト「聖ニコライ・ヤポンスキイの道:白樺から桜まで」の主催者、ナターリヤ・エロフェーエワさんは、スプートニク日本記者の取材に対し、次のように答えてくれた-

この聖人伝のイコンを見れば、ニコライ・ヤポンスキイの誕生から修業時代、日本での生活など、その人生の事実上すべてを知ることができる。こうしたものはめったにない。私の知る限り、同様のものはロシアにはないし。いずれにしても、私はこうしたものを日本でもロシアでも、目にしたことはなかった。さらに、このイコンを描いたのが正教徒の日本女性だという事実は、とても喜ばしい。これまでよく知られた日本の女性イコン画家は、山下りんだけだ。彼女は、最初の日本人イコン画家で、ニコライ・ヤポンスキイの祝福によって、絵の勉強のためロシアにやって来て、その後、日本で正教のイコンを描いた。

エロフェーエワさんのイニシアチブで、今年3月、主の昇天寺院の聖ニコライのイコンの前で祈りがささげられた。

© Anna Oralovaイコンに近づき口づけする信者 祈り(モレーベン)で
イコンに近づき口づけする信者 祈り(モレーベン)で - Sputnik 日本
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イコンに近づき口づけする信者 祈り(モレーベン)で
© Anna Oralovaその後、信者が司祭に近づき、十字架に口づけする
その後、信者が司祭に近づき、十字架に口づけする - Sputnik 日本
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その後、信者が司祭に近づき、十字架に口づけする
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イコンに近づき口づけする信者 祈り(モレーベン)で
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その後、信者が司祭に近づき、十字架に口づけする

主の昇天寺院は、イコンを注文し、信者の間でイコンづくりのための浄財集めをしたばかりでなく、さらに聖ニコライ・ヤポンスキイ正教徒使節日本派遣のための資金も集めたのだが、これまでなかった額の支援が寄せられたという。

主の昇天寺院の歴史に詳しい、アレクサンドル・ミトルシチェンコフ氏は、次のように語っている-「私達のガヴリイル・グリゴリエヴィチ・ステチェンスキイ主任司祭(1873年から1890年まで奉職)は、モスクワ府主教聖インノケンチイの頼みにより、日本でのミッションのために10年間、お金を集め慈善家達との会合を組織した。聖ニコライは、書簡の中で『あなた方のおかげで、私達は、しっかりと両足で立ちあがったのです』と書き、感謝の言葉を述べている。1880年にモスクワに来た折、聖ニコライは、ガヴリイル主任司祭と会い、昇天小寺院で一度、司祭の亡くなった息子を追悼する祈祷式をとり行った。

© 写真 : Anna Oralova主の昇天教会のアレクセイ・クルグリク司祭
主の昇天教会のアレクセイ・クルグリク司祭 - Sputnik 日本
主の昇天教会のアレクセイ・クルグリク司祭

日本に正教を伝道した聖ニコライ生誕地に桜並木を植樹  5月1日 - Sputnik 日本
日本に正教を伝道した聖ニコライの生誕地で桜並木が植樹
聖ニコライ・ヤポンスキイのイコンは、正教の規範に従って描かれ、制作の際には、天然の絵具や金のメッキが使われている。現在、主の昇天寺院の主任司祭代理を務めるアレクセイ・クルトリク長司祭は、イコンについて次のように述べた-

すべて正教の規範に従って作られたものの、私達は、イコン入れ(立て)は日本スタイルで作ろうと思っている。ミッション用として、彫刻のついた飾り枠の代わりに、おそらく我々はそこに、例えば、パゴダの屋根や花咲く桜をつけるだろう。我々には夢がある。それは、日本の教会に頼んで、聖ニコライの聖骸あるいは祭服の一部を譲ってもらう事だ。我々は、正式な要請を行い、イコンに聖骸を入れたいと願っている。今後のことは、おそらく主がお決めになるだろう。我々は、イコンが我々の元にやって来ることを願っている、しかしもしそのために、さらにどこかが、またどこかで十字行を行う事が必要ならば、喜んでそれをするだろう。我々は、印刷所でこのイコンの大小の複製を準備し、それに関心を持ち、人生においてそれを必要とする人達は、得ることができるようにするつもりだ。こうした計画は、2018年、ロシア日本文化交流年までに実現させたいと望んでいる。

 

© 写真 : Anna Oralova主の昇天教会史の講義
主の昇天教会史の講義 - Sputnik 日本
主の昇天教会史の講義

歴史家:1世紀のコインにキリストの本物の姿が描かれているのを発見 - Sputnik 日本
歴史家:1世紀のコインにキリストの本物の姿が描かれているのを発見 【写真】
聖ニコライは、ロシアのヨスィフ・ゴシケヴィチの招きで1861年。函館の教区教会を訪れた。プチャーチン提督が自分の外交的使命を遂行し、1855年に露日間の初めての条約、下田条約(露日和親条約)を結んだ、その6年後に、日本での自らの使命に着手したのだ。全部で聖ニコライ・ヤポンスキイは、半世紀以上日本に滞在した。1904年の露日戦争勃発にょり、外交関係が断絶した時期でさえ、日本に残った。彼の努力によって、東京都心での、美しい石造りの復活大聖堂の建設が完了し、日本における正教徒の数は、彼の死後、3万4千110人を数えた。聖ニコライ・ヤポンスキイは今、東京の谷中墓地に眠っている。

最後に、この記事を準備するにあたりご協力頂いた、ナターリヤ・エロフェーエワさんに、スプートニク日本編集部一同、心から感謝申し上げます。

アンナ・オラロワ

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