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人類は何によって滅びるか:エイズそれとも「SEXしない症候群」でか?

© AP Photo / Ahn Young-joon人類は何によって滅びるか:エイズそれとも「SEXしない症候群」でか?
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先頃、米国のインターナショナル・SEXアカデミーの調査が発表されたが、それによれば、2010年から米国人の性行為の回数が、毎年平均で9回も減っているとの事だ。専門家の中には、こうした傾向は、人類の存続を脅かすもので、しかも米国だけの特徴ではないと主張する人達もいる。

例えは日本がそうだ、日本政府も、出生率の減少によって、2065年までに4000万人の国民がいなくなるかもしれないと警鐘を鳴らしている。これは。国立社会保障・人口問題研究所の専門家達の発表だ。

2016年の調査では、独身男性の70%そして未婚女性の60%に相手がおらず、性行為をしていないという。

現代社会では、性的嗜好発現の可能性が広がり、モバイルアプリケーションも自由になり、男女の出会いを積極的に助けている状況にあるにもかかわらず、人々は、ますます性行為をしなくなってきている。

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当然米国と日本では、文化もメンタリティも異なっているが、抱えている問題は似ている。一方欧州諸国でも、若者達が家族や子供を早くに持ちたがらないといった傾向が見られる。こうした事実は、積極的に性行為をしたくない人の増加が、もはやグローバルな問題であることを意味しており、長期的展望において人類は、滅亡の際に立たされている、そう言ってよいのではないだろうか?

スプートニク記者は、この切実なテーマについて、ロシアの性問題の専門家レフ・シチェグロフ氏に聞いてみた。氏は「時に我々は、いかに世界が急激に変化しているのかを忘れるものだ」と指摘し、次のように続けた-

「30年前、世界はHIV感染により絶滅すると言われていた。今は、それが例え長くかかるとしても、慎重に治療していけば、エイズを結核のように直すことができる。それより前は、人類は、結核の蔓延によって死滅するだろうと言われていた。それゆえ、そうした傾向が見られるとしても、不安になるのはまだ早い。なぜなら、この問題に対する基礎的にしっかりとした本格的な研究は、まだないからだ。代わりに、多くの似非科学的情報やフェイクニュースを、ますます頻繁に無責任なマスメディアが流し、センセーションを巻き起こしている。必要なのは、生理学者や医師、教師、性科学者、心理学者が参加する強力な、文化横断的研究である。今のところ私は、そうした研究を目にしていないし、読んでもいない。傾向が新しいものなので、まだ表れていないのだろう。それゆえ、21世紀の現代人の性欲が、破滅的なレベルまで低下しつつあるとの結論を出すのは、まだ時期尚早だ。」

とはいえ日本では、多くの若い人々が、実際上ますます関係を持つことを恐れ、セックスに対する興味を失っている。そうした現象は「セックスしない症候群」と呼ばれている。

歴史的に日本人が、決してSEXそのものに関心がなかったわけではないことを考えれば、この状況は驚くしかない。あるいは、これば「ミレニアム世代」が携帯電話やタブレット端末そしてTV画面ばかりに夢中になっている事と、やはり関係があるのではないか? バーチャル(仮想現実的)な世界にばかり目が向いて、生身の人間と関係を持とうという要求が薄らいでいるのかもしれない。

シチェグロフ氏は、この事について、次のように述べているー

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「多くのことは実際、バーチャルSEXの可能性が増えた事と関係している。タブレット端末やコンピューター画面を通じて、ポルノ映像にアクセスし、SEXを疑似体験できる。しかしこれは主に、自分に自信がもてなかったり自己評価が低かったりして、もともとコミュニケーションが苦手な人達特有のものだ。まさにそうした人達にとって、バーチャルSEXは、現実に代わるものとなっている。しかし同時に、他の傾向もみられる。若者達の中には、多くの場合、教育や所得の高いレベルで逆に、 SEXに対する依存が高まっているのだ。他のすべての重要な要求や欲望を、SEXによって代えようとする節度を越えた試みだ。彼らはまさに、SEXショップやビップショップ、SEXショーやクラブなど性的娯楽に関連したすべての積極的な「消費者」である。彼らにとってSEXは、新しいタイプの依存である。このように、それぞれの現象は、二面性がある。おまけに私が知る限り、日本の人口動態学上の状況は、ロシアよりも良い。少しだが良いと思う。日本では、堕胎もロシアに比べ少ない。それゆえ日本人が警鐘を鳴らしているのだとすれば、我々ロシア人は一体何をすべきだろうか?」

日本で1899年、子供達の出生が記録され始めてから、年間の新生児誕生数は、一度も百万人を下回らなかった。しかし昨年2016年、その数は約99万人だった。

ロシアにおける新生児の誕生数は、昨年、日本のほぼ2倍、200万人近い185万9850人だった。しかし、かくも広大な国土を持つ国家としては、この数は少ない。しかしホッとする数字もある。昨年2016年のロシアにおける中絶数は9万6300件、つまり13%減った。世界で最も妊娠中絶が多いのは中国で、917万3100件である。米国は121万3000件、ロシアは120万8700件とそれに続いている。一方日本は、24万2300件とはるかに少ない。

この数十年の間に、現代ロシアにおいてSEXに対する態度は変化しただろうか? 社会レベルではどんな変化があっただろうか? この問いに対し。シチェグロフ氏は、次のように指摘している-

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「もちろん変化があった。今日SEXは、人々の頭の中で、大変密接に豊かさと結びつくようになり、よりプラグマチックなものとなった。つい40年から30年ほど前、若い男性は、知性やルックス、求愛能力をもって若い女性を魅了する事が出来た。まさに関心は、個人それ自体にあった。しかし現代、求愛の結果にしばしば影響を与えるのは、彼氏の持っている車の種類といったファクターだ。彼は彼女を、レストランに招待し、何かそれなりのプレゼントをしなくてはならない。その一方でSEXは、より個人的なものとなり多様化した。それ自体は悪いことでなない。人々は、かつてソ連時代のモラルが指示したごとき2-3のシナリオではなく、もっと多くのシナリオの中から自分には選ぶ権利があると思うようになった。今日ロシアには、世界中がそうであるように、様々なニーズに応じたSEXショップが現れた。そしてついにロシアでも、かつてこの国には存在しなかった(私のような)プロの性科学の専門家も出現したのである。」

シチェグロフ氏の意見によれば、肝心なことは、ソ連時代と違って、現代のロシア人達は、SEXというものが極めて個人的なもので、社会的なものではないと理解するようになった点だという。しかし重要なのは、現実を絶えずファンタジーに置き換えないようにすることである。大衆雑誌が今日しばしば、実生活の中で読者がそうなるのは到底困難なヌードの非現実的基準を設定していると、批判されるのは決して偶然ではない。雑誌の基準に合わせて、女性達や、とりわけ男性達は、自分のパートナーあるいは自分自身にも過大な要求をしてしまう。そして新しい性的関係を時折、単に恐れてしまっている。そうした理由から、性問題の専門家らは、あまりポルノに夢中になることは良くないとアドバイスしている。なお現代では、日本の大手衣料チェーン「ユニクロ」の中国・北京にある店舗で起きた「試着室性行為動画流出事件」のように、SEXが、何百万ものネットユーザーにとって大変素晴らしい広告になることもある。

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