民間外交の力:ビザなしサポーターズたんぽぽ、ロシア人の日本に対するイメージを変える【写真】

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毎年5月から10月のビザなし訪問のシーズン、根室港にはビザなし訪問専用船「えとぴりか」が頻繁に入港する。訪問団の行き来のたび見送りや出迎えに訪れているのが、根室市民有志によるボランティアグループ「ビザなしサポーターズたんぽぽ」(代表:本田幹子さん)のメンバーだ。

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択捉島・国後島・色丹島に住むロシア人たちは、北海道や日本各地へのビザなし訪問を通して日本の生活や文化を知り、人々と交流する。本田さんの母親は歯舞群島・志発島の出身で、長年にわたってロシア人を受け入れる様々な事業に尽力してきた。本田さん自身も過去数回、ビザなし訪問に参加したことがある。港での出迎えを始めるきっかけになったのは、本田さんが初めてのビザなし訪問で択捉島を訪れたときの体験だった。

本田さん「択捉島では民族衣装を着た女性がパンと塩でもてなしてくれ、歓迎してもらいました。しかしその当時、根室港での出迎えはスーツを着込んだ役所の方たちだけで、一般人はいませんでした。そこで私たちも、ロシア人の方々が来るときに歓迎したいと思ったのです。ロシア人の名前は難しいので、名簿を見ても名前と顔を一致させるのが大変ですが、港に行って直接顔を見れば『あの人は以前にお世話になった人だ』とわかります。普通の市民が歓迎しているということをわかってもらえればと思って、仲間と一緒に見送りと出迎えを始めました」

そうして始まった船の送り迎えは、もう約18年間も続いている。それ以外にもたんぽぽのメンバーは、北海道を訪れる青少年訪問団を心のこもった手作りの温かい食事でもてなしてきた。弁当やパンが中心の食事の中で、「せめて滞在中に一度、子どもたちに日本の家庭料理を食べさせてあげたい」という気持ちから、メニューの検討、調理、盛り付け、配膳、後片付けに至るまで、すべてボランティアで行ってきた。栄養バランスのとれた美味しい食事は子どもたちに大好評だ。

© Sputnik / ビザなしサポーターズたんぽぽ 2013年・青少年訪問団。浴衣着付け体験
2013年・青少年訪問団。浴衣着付け体験 - Sputnik 日本
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ビザなし相互交流を続けていく中で本田さんは、あるロシア人から「日本人のことは、ずる賢くて信用できないというイメージを持っていたが、今では見方が変わった」と打ち明けられた。本田さんは「私自身も当初、ロシア人といえば怖くてずるいイメージを持っていました。でも今では、彼らは友人をとても大事にする人達だとわかりました。お互いに悪いイメージがあったのは、相互理解がなかったからでしょう」と話す。

最近、ビザなしサポーターズたんぽぽの活動に欠かせないアイテムとなっているのが、ビザなし交流事業応援旗だ。図案は、色丹島出身の得能宏さんの体験をモデルにした映画「ジョバンニの島」の原画を使用しており、日本語で「ふるさとの四島へいってきます」「ふるさとの島からおかえりなさい」ロシア語で「根室市へようこそ」「またお会いしましょう」と書かれている。「ジョバンニの島」公開後に、この映画が忘れられてしまわないようにとの気持ちから、旗を作るアイデアが生まれた。応援旗制作有志の会が制作費協賛金を募ったところ、予想外にたくさん集まったため、全部で5枚も作ることができた。

© Sputnik / ビザなしサポーターズたんぽぽ えとぴりか
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えとぴりか
© Sputnik / ビザなしサポーターズたんぽぽ ビザなし訪問に参加する本田幹子さん
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ビザなし訪問に参加する本田幹子さん
© Sputnik / ビザなしサポーターズたんぽぽ根室市へようこそ、と書かれた旗
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根室市へようこそ、と書かれた旗
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日本人参加者帰港時
© Sputnik / ビザなしサポーターズたんぽぽえとぴりか出航の様子
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えとぴりか出航の様子
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ビザなし訪問に参加する本田幹子さん
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根室市へようこそ、と書かれた旗
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えとぴりか出航の様子

船での行き来は不便で、天候に左右されて計画通りに出航できないことも多々ある。今週末にも航空機を利用した、元島民の初の空路墓参が行われる予定だ。しかし、船というローカルな移動手段のおかげで、港でフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションを積み上げてくることができたというプラス面があったことも、また事実である。

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