露国防省、日本の南クリルの領有権主張を国益への脅威と見なす=露紙

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ロシア国防省は、日本による南クリル諸島(北方領土)の領有権主張を、ロシアの国益への脅威として見ている。露経済紙コメルサントが3日、「関係筋」の話として伝えた。

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同紙によると、国防省の報告書「2016年度海洋活動分野におけるロシア連邦の国家安全保障状態の包括的評価について」の「軍事的」部分は、「米国やその同盟国が行う、(ロシアの)地政学的影響力を制限する方針」や、国際テロリズムの規模拡大、海賊行為、不法移民を主な不安定要因にカテゴライズした。国益への脅威として言及されたのは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国との「潜在的に可能性がある軍事衝突」や、アゾフ海・黒海地域の複雑な情勢、北極評議会の参加国や非北極圏諸国すら地域での軍事的影響力拡大を目指し争っていること、日本によるクリル諸島の領有権主張だった。

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関係筋によると、現行の脅威の性格は詳述されている。それは、艦隊を有する国家の増加や、ロシアと密接に関係し、海への出口を持つ領域での軍事衝突のエスカレーション、北極海航路に対するロシアのコントロールを弱めるためのロシアへの圧力、ロシアに隣接する海や海洋などの水域における他国による戦略的非核高精度兵器システムの展開、そして海上発射型ミサイル防衛(MD)システムの展開だ。

ここから、日本の海上自衛隊の能力拡大や、オホーツク海におけるロシアの抑止力を脅かしかねない海上発射型MDシステムの導入もまた、ロシア軍の警戒網に入っている。

コメルサント紙によると、9月末、ロゴジン副首相率いるロシア連邦政府海洋協議会のメンバーにレビューのため文書が配布された。このあと文書はおそらく、協議会員が何かを追加した後、プーチン大統領に送られる。一方、国防省はコメントを控えたという。

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プーチン大統領自身は、ロシアの安全保障に対する南クリルの戦略的意義を1度ならず指摘してきた。プーチン大統領は安倍首相との会談について述べた際、「私たちには例えば、ウラジオストクのやや北に2つの大きな艦隊基地がある。私たちの海洋ゾーンの船は太平洋に出る。私たちにはこの領域で何が起きるかを理解する必要がある。日米関係の特別な性格や日米安全保障条約の枠組みでの契約上の義務を考慮しながらだ。私たちが柔軟性について話すとき、私たちは日本の同僚や友人がこれらの機微全てとロシア側の懸念全てを考慮するよう望んでいる」と述べた。

今年2月、ロシアのショイグ国防相はクリル諸島への師団配備を発表。発表によると、「今年中」に配備作業は完了する方針だ。2016年12月には、クリル諸島のイトゥルプ(択捉島)、クナシル(国後島)両島への沿岸用ミサイル複合体「バル」と「バスチオン」の配備が発表された。同年に地対空ミサイル「トールM2U」も配備された。

ロシア外務省のザハロワ報道官はクリル諸島へのミサイル複合体の配備に次のようにコメントした。

「ロシアでは防衛上の措置で計画通り措置が進められている。目的は国家安全保障の一貫した強化で、まさにこのラインで戦闘ミサイル複合体が南クリルに配備された。」

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一方、ウラジオストクで開かれた2017年度東方経済フォーラムの会場で行われたプーチン大統領との3時間に及ぶ会談の後に、安倍首相は「私たちは今回、まさに我々の手で平和条約を締結しようという新たな決意に到達した」と決意を示した。

プーチン大統領はこれを否定せず、むしろ、ロシアにはクリル諸島での共同経済活動からクリル諸島でのビザ要件緩和まで、先の合意全ての遂行を続ける用意があると強調した。

クリル問題(北方領土問題)について、両首脳は数ヶ月後のアジア太平洋経済協力(APEC)でも協議を続けていく。

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