安倍首相の3つのキーワード 2018年版

© REUTERS / Toru Hanai安倍首相
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2018年日本政治の3つのキーワードを毎日新聞が選んだ。それは、「自民党総裁選」「憲法改正」「北朝鮮」だ。これらの言葉の裏にあるものはお互い密接に絡み合っている。

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この文脈で北朝鮮からの脅威は安倍首相にとって好都合でしかない。9条改正の強い賛同者である安倍首相は自衛隊の明記と合憲化に確固とした意思を示す。実際、武装水準と防衛省の存在からは事実上、自衛隊を軍以外の何物でもないと考えることができる。しかし!日本人の大半は日本が戦争に引きずり込まれることを懸念し、慣れ親しんだ平和主義を主張する。9条変更の考えは無条件的な賛同を世論で得ていない。2月18日の安倍首相の散歩中にもジョギング中の男性が憲法改正をしないよう声をかけたという。

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とはいえ、北朝鮮問題は日本の防衛プログラム強化の正当化として機能するだけでなく、日本の守り手としての安倍首相のイメージ形成のための主要な道具としても機能している。ロシア戦略研究所のユリア・クリャチキナ氏は、日本の他の外交政策も一定程度これに向けられているとして次の見方を示した。

「日本の外交官は北朝鮮に対する日本の政策の支持をパートナー国から得るため、好都合なケース全てを利用する。最後にこうした証拠が得られたのは、今年1月の安倍首相の欧州歴訪と2月の河野外相によるブルネイとシンガポール訪問だ。日本は北朝鮮への制裁と圧力政策を続ける方針で、他国にも参加を呼びかける。日本は五輪中に兆候が見られた朝鮮半島の南北関係の改善について耳にしたくもない。日本政府指導部は、韓国への友好を示すことで新たなミサイル実験準備に向けた時間を稼いでいるだけだとして、『北朝鮮の微笑外交』を信用すべきではないと主張する。安倍首相は韓国の文在寅大統領に、五輪開催中に延期している米韓合同軍事演習を可及的速やかに再開するよう要請したが、望んだ答えは得られなかった。」

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これは日韓関係における唯一の亀裂ではない。日中関係でも深刻な意見の対立が続いている。昨年秋に安倍首相は、日中平和友好条約締結40周年節目の年である2018年に日中関係を「新たな段階に押し上げる」と意欲を示したが、意見の相違はなくなっていない。1月末の日中外相会談で日中関係の安定した発展の必要性が言及されたにも関わらずだ。クリャチキナ氏は次のように続ける。

「隣国との関係が悪いことは、安倍首相にとって全く好ましくない。そのため、自民党総裁選を前にした最も可能性のあるシナリオは、日本が韓国や中国との関係改善に走るというものだ。だがこれは、長期的な米国志向や中国抑制、北朝鮮への強硬的な立場の放棄を意味しない。いずれにせよ、日米による同地域での最近の発案は全て、中国の政治・経済的野望の抑制に向けられている。」

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対露関係について、経済提携で目立った結果はないが最近の露日外務次官級協議では前向きな姿勢が示されている。2月7日、安倍首相は5月にロシアを訪れる方針だと述べた。3月にロシアのラブロフ外相が訪日する可能性もあり、調整が進められている。もちろん、露日関係にも争点や弱みがある。最近も新たな争点が加わった。それは、新たな日本による陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入計画と、ロシアによるイトゥルップ(択捉)島にある民間空港を軍民共用空港として利用する方針だ。

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