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ロシア人アーティストが日本アニメとソビエト映画とハリウッド大ヒット作をいかに繋ぐのか
ロシアのアーティスト、ドミトリー・Ahriman・グロゾフは有名な映画のシーンをアニメタッチで再現したことで有名になった。彼のプロジェクトはAnimotionと呼ばれる。彼はSNSのグループに作品をアップし、フォロワーが、それがどの作品なのかを当てる。このようなインタラクティブな手法が多くの人に気に入られ、ドミトリーのファンは大幅に増加し、SNSの枠を超えて広がった。現在、ドミトリーは自分のページに精力的にコンテンツをアップし、定期的にビジネスオファーを得ている。とはいえ、彼を有名にした主要なイラストは、当初、冗談で描かれたものであり、SNSもポートフォリオのひとつとして見なされていたに過ぎない。
ドミトリーがスプートニクのインタビューで成功の歴史と今後の計画を語ってくれた。

スプートニク
映画のシーンを描くというアイデアはどのようにして生まれたのですか?ソビエト映画のシーンを描くことから始めたのですか?
ドミトリー・グロゾフ
最近、人気となったAnimotionシリーズについて言うと、最初に描き始めたのは、まさにハリウッドの大ヒット作でした。最初は冗談のつもりで、ターミネーター、エイリアン2、ロボコップの3作を描きました。この作品にはフォロワーからとても良い反応があり、私はこのシリーズを継続すべきだと思いました。そして、ソビエト映画に移行したのです。
スプートニク
好きな作品はありますか?
ドミトリー・グロゾフ
ソビエト映画とロシア映画ですと、最も好きな作品はウサギの歌を歌うユーリー・ニクーリンの絵です。また、大人気映画『兄弟』のつい最近のイラストも好きです。けれど、実はどの作品もすべて大切なのです。多くのアーティストがそうであるように、私も自分の作品を日記として使っています。ですから、作品を見ると、それを描いたのが何年だったのか、その時期に私の人生にどんな出来事が起こったのかを言うことができます。また、その作品と関連のあったことや、当時の感情なども思い出すことができます。ですから、私の作品コレクションの中には、私にとって記念となる作品がたくさんあります。
そのような記念すべき作品のひとつが、ソビエトのパルチザンの格好をした『忍者タートルズ』のイラストである。このイラストは一般に広まり、ポップアートとなって、多くのインターネット・ミームが作られた。しかし、最も重要なのは、パルチザン・タートルズを伝説のコミック『忍者タートルズ』の作者ケヴィン・イーストマン本人が見たということである。彼はドミトリーにこの作品をプレゼントしてほしいと頼み、ドミトリーは喜んでそれに同意した。
この作品も当初、冗談で描いたものです。長い間、どこにもアップしていませんでした。私は友人たちと一緒に、ソビエト・パルチザン風の変わったイラストを描くことに決めました。そして、私が『忍者タートルズ』を担当することになりました。とても楽しくて、まさかこれが大事になろうとは思ってもいませんでした。たしか、2012年のことです。この写真はネットで勢いよく広まり、テレビにも出るようになりました。多くの場合、画面の隅に私の名前が表示されることもありませんでした。そのため、Animotionブームにのって私のSNSフォロワーとなった人たちは、これも私の作品なのかと驚いたのです。作夏、このイラストはついに『忍者タートルズ』の作者の手元に届きました。この作品が気に入ってもらえて、とても嬉しかったです。

ドミトリー・グロゾフ
AHRIMAN
とはいえ、ロシアではドミトリーは日本文化とともに連想されることが多い。彼はアニメ作家や漫画家とよばれるが、本人曰く、これは決して適当ではない。
昨今のAnimotionプロジェクトの成功を受けて、ドミトリーには大企業からだけでなく、SNS用にアニメ風のアバターを作ってほしいという人や、親や人生の伴侶との写真をイラストにしてほしいという一般の人からもビジネスオファーが入るようになった。ドミトリーによると、オファーや注文は主にロシアとアメリカから入ってくるという。日本人は今のところ、どちらかというと控えめだと、ドミトリーは言う。
私はアニメに直接関係しているわけではありません。けれど、総じて、質の良いアニメの大ファンです。私の作品を見て、VHSカセットで見たような古いアニメに似ていると言う人が多くいます。実際、私はアニメの最高傑作は80年代と90年代の作品だと思っています。当時はまだ3DやCGが今のように幅広く使われておらず、アニメーションは真の職人が作っていました。当時のアニメーションは本当に素晴らしいものだと思っています。それはディズニーにしてもそうですし、日本のアニメにしてもそうです。

ドミトリー・グロゾフ
AHRIMAN
スプートニク
あなた自身やあなたの作品に大きな影響を与えた日本のアニメを教えてください。
ドミトリー・グロゾフ
おそらく、『攻殻機動隊』、『アップルシード』、『アキラ』です。
スプートニク
将来はどのような計画を持っていますか?
ドミトリー・グロゾフ
私は自分のキャリアのほとんどを漫画を描くことに費やしてきました。私には、自分の考えや感情を何かひとつのアートに詰め込むのは、かなり難しいことです。ですから、私の作品は通常、シリーズものだったり、漫画という形式で発表されます。次のステップとして論理的なのは、アニメやアニメーションを作ることです。私はアニメの制作に参加したいと考えていますが、今、唯一それを阻んでいるのが資金不足です。
スプートニク
アニメを制作するのであれば、どのようなジャンルですか?
ドミトリー・グロゾフ
私はファンタジーが大好きですし、ファンタジーで育ってきました。ライフストーリーはあまり好きではありません。現実から離れて幻想の世界に入ることの方がずっと興味深いです。
スプートニク
日本からアニメ制作に参加しないかというオファーがあったら、同意しますか?
ドミトリー・グロゾフ
すると思います。私にぴったりだと思います。
アニメや漫画はロシアで大人気だ。ソビエト文化を代表する作品も同様に大人気である。多くのロシア人は、ソビエト時代の過去にノスタルジーを感じつつ、当時の映画やアニメを見返している。そして、ドミトリー・グロゾフのプロジェクトは、日本のアニメ文化とソビエトのポップアートには一見したよりも多くの共通項があることを改めて示している。その共通項とは、まずなによりも、直接的な訴えかけと、ときに拍子抜けするくらいのナイーブさであり、こうしたものが現代生活には足りていないのである。
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