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京大チーム iPS細胞からの血小板を血液難病者に臨床研究 厚生省に申請

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京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之教授らのグループが、iPS細胞を用いた血小板を再生不良性貧血の患者に臨床研究する計画を厚生労働省に届け出た。申請は今月29日に同省で審議される。

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臨床研究に用いられる人工血小板は患者本人のiPS細胞から作成されている。今回、臨床研究の対象となる患者の再生不良性貧血とは、血小板の減少により出血しやすくなる難病。計画では他人の血小板の輸血によって拒絶反応を起こしやすい患者に、自身のiPS細胞による血小板の輸血を行い、その安全性、有効性が確認される。

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これについてスプートニクは、京都大iPS細胞研究所(CiRA)国際広報室の和田浜裕之氏に取材を行った。

スプートニク:貴研究所の作製する人工血小板とは、患者の末梢血単核球から作製するiPS細胞を経由して誘導されるとありますが、この末梢血単核球の部分には場合によって白血球という記述が見つかります。これは、正しいですか?

和田浜氏「正しいです。血液細胞の中から単核球細胞を集めてきます。その 単核球細胞の中には主には白血球が含まれています。もちろんこの他にも別の細胞が混ざっていることはあるのですが、それは分離はしていないです。」

スプートニク: 患者さんから細胞を採取し、作成したiPS細胞から、巨核球細胞株を作り出し、マスターセルとして凍結保存するというのですが、この巨核球細胞株の細胞株というのは細胞の集まり、と理解していいのでしょうか?

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和田浜氏「そうです。普通に巨核球細胞株は増殖することはないのですが、この細胞が特殊な力を与えて、分裂していくらでも数を増やしていったものを株と表現しています。」

スプートニク:そのiPS細胞から巨核球細胞株を作って、それをマスターセルバンクに入れてまた増やし、それから血小板を取り出して、患者に輸血するということですか?

和田浜氏「そうです。」

スプートニク:厚生省の認可取得後、手術に初めて用いられるようになるのは、今の予定で何年後くらいですか?

和田浜氏「正直いって明確にはわかりません。厚生科学審議会で承認は一番早ければ今月中ですが、これがとれるかはまだわからないですし、その後、患者さんにご説明をして同意をとるのにどれくらい時間がかかるかもわかりません。ただ目標としてはこれから1年以内です。」

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スプートニク:今のところ、患者さんから使用したいという希望は寄せられていますか?

和田浜氏「これは注意していただきたい点なのですが、患者さんの募集は行わないのです。それは多くの方を対象にしたものではなく、1人の患者さんに対して行うものだからです。同じように血小板を作って多くの人にできるようなものは別に研究を進めておりますが、これはまだできていません。」

スプートニク:たとえば血液ガンにも用いることのできるものですか?

和田浜氏「用いることを目指して研究を進めています。」

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