憲法9条改正:日本に選択肢はあるのか?

© AP Photo / Koji Sasahara安倍首相
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安倍首相は憲法改正案を秋の臨時国会に提出する意向を示している。昨年、日本は憲法制定から70周年を迎えた。現行の日本国憲法は1947年から一度も改正されていないが、日本ではこの期間、様々な大きな変化があった。

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改正案は何よりもまず、軍の所持を禁止した9条についてだ。安倍氏は、9条は時代にそぐわず、北朝鮮のミサイルや、中国の南シナ海における覇権を狙う行動などのリスクに対応できないと見なしている。

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ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センター長のワレリー・キスタノフ氏は、「安倍氏とその仲間は、日本はもうかなり前から第二次世界大戦後の国としての評判を回復しており、合法的に軍を所持する権利があると考えている」と話す。

キスタノフ氏「憲法は、攻撃的な国であった日本の行動の多くを制限するために米国によって作られたものだ。しかし現在に至るまでの間に日本と米国は戦略的な同盟国となり、現在の自衛隊は実質的にかなり前から、あらゆる種類の装備をもつ本物の軍隊となっている。安倍氏は防衛上の観点から、この矛盾を是正して、自衛隊に法的な、軍としてのステータスを与えたいと考えている」

そしてキスタノフ氏は、安倍氏はこの目標に向けて着々と進んでいる、と強調する。

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「2006年から2007年の第一次安倍政権で、彼は多くを達成した。防衛庁を防衛省に昇格させた。しかし軍の合法化とまでは至らなかった。日本がこの問題に敏感になるのはわかりきったことだ。『平和憲法』の改正に向けて急激に歩を進めることは、軍国主義日本の記憶が残っているアジア諸国で大きな反響、抗議の声を上げさせるからだ」

日本においてもこの問題における世論は一様ではない。被爆者の間でも、平和憲法の改正に反対する人が多くいる。2015年長崎で、被爆者の親族を含む何百人という人々が町へ出て、平和憲法改正の反対デモを行なった。彼らは、平和憲法の改正によって、日本が再び攻撃的な政策をとり、戦争のできる国になってしまうのではないかと懸念しているのだ。共同通信が報じたところによると、こういった安倍氏のイニシアチブを支持しているのは40パーセント以下にとどまっている。

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しかし、キスタノフ氏の指摘するところによれば、抗議運動や、憲法改正に反対する人の十分大きい割合にもかかわらず、日本は以前から自国の戦力ポテンシャルの拡大と一新に取り組んでいる。

キスタノフ氏「日本の軍事費は増大している。2017年度、安倍政権は過去最高額となる防衛予算、約5、1兆円を承認し、2018年度の支出はさらに1、5パーセント増えた。それに、安倍氏のもとで、自衛隊は集団的自衛権を得た。公式な軍隊を有していなくても、ある条件のもとでは地球上のどこででも、米軍を支援することができる」

2000年代日本は、アフガニスタン(2001-2009)とイラク(2004-2008)で物資輸送と後方支援を行なった。2018年7月末、ジャパン マリンユナイテッド株式会社により、横浜にて護衛艦「まや」の進水式が行なわれた。これは最新技術を搭載した護衛艦で、弾道ミサイル防衛機能を備えている。2019年度、日本はさらに防衛費を1.93パーセント増大させようとしており、その額は5兆3000億円規模にのぼるとみられる。

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