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ホーキング博士が記した「超人」は実際の脅威なのか?

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先に、英国の理論物理学者、故スティーブン・ホーキング博士が自身のエッセイ集で、遺伝子工学の発達による「スーパーヒューマン」の誕生の可能性を指摘し、人類に対して警鐘を鳴らしていたことが明らかになった。ロシアのメディア「メドゥーサ」が、そのような脅威が存在するというのは本当のことなのか、遺伝学や病理解剖、ヒト幹細胞の専門家であるロマン・デエフ氏に話を聞いている。

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デエフ氏は、「新たな優生学や『人類種』の改良について言えば、私にとってこれは二流ファンタジーのつまらない筋立てであって、近未来の現実的なシナリオではないと思われる」と指摘。

スティーヴン・ホーキング博士 - Sputnik 日本
ホーキング博士の遺稿が発表される ブラックホールのパラドックスについて
「もちろん、空想作家や野放図な未来学者の頭の中には、遺伝コードが寿命の延伸や老化の遅延を可能にする状態になるまで、我々のDNAを『(ゲノム編集を用いて)改良する』可能性があるとの考え方が存在している。しかし、そのためには、まず初めに、老化と死の自然なメカニズムを分子遺伝学的なレベルで究明することが不可欠だ」と述べ、現在そのような研究は行われているものの、実現までには今のところほど遠いと強調した。

また、遺伝子工学は原則的に何も取り替えることはないだろうとして、「今日、大部分の国々の社会は、遺伝子治療やゲノム編集がなくても既に階層化されており、金融経済学的観点から見て市民は拘束されている」と述べ、医療を受ける機会や全体的な生活の質が人々の間で異なる原因となっている社会的不平等を念頭に置いて強調した。

デエフ氏は、「それに加えて、未来学の面で私は楽観主義者だ。宇宙は必ず、並行して発展する他の何らかのテクノロジーに対して個々の人々が持つこの優越性を釣り合わせるだろう。例えば、AI(人工知能)だ。『改良された』市民が反社会的な活動を実行することをAIは簡単には許さないだろう」と総括している。

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