生物学者、長寿とホルモンの特別な関係を明らかに

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高齢者の男性でも細胞の老化スピードが比較的緩やかな場合、特徴として体内の性ホルモンは高濃度であることが生物学者らの研究で明らかになった。米科学誌「クリニカル・エンドクリノロジー」に掲載の学術論文には、老化スピードの遅い高齢男性の体内組織の働きの特徴を探ることで、アンチエイジングに一役買うことができると書かれている。

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西オーストラリア大学(パース市)の研究チームは、70歳から89歳のオーストラリア人男性約3千人を対象に健康状態を調べたところ、染色体に存在し、DNAを破壊から守る役割を持つテロメアと血液中の一定の性ホルモン濃度の間に、きわめて特別な関係があることを発見した。

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長寿が「健康的な老い」を常に意味するとは限らず 何が助けとなり得るか、学者らが発表
チームがこうした研究を行うきっかけとなったのは、男性のテロメアと女性のテロメアの長さの違い。これを比較したところ、男性のほうが平均して女性よりやや短いことがわかった。

研究チームは参加者の血液サンプルから少量の白血球を採取し、テロメアの長さを測定し、参加者の体内に存在する3個の性ホルモン(テストステロン、スタノロン、エストラジオール)のデータを比較することによって、この理論を検証した。

これらの測定により、予期せぬ形で、男性の生物学的年齢は、テストステロンやスタノロンの濃度ではなく、女性ホルモンの代表格であるエストロゲンの生成に関係するエストラジオールの濃度が影響を及ぼしていたことがわかった。

エストラジオールが男性の血液中に多く存在すればするほど、その男性の細胞はより若々しかった。これと類似するように、血液中のエストラジオールの割合がより高い男性の方が、その割合が低い同年齢の男性よりも外見的により健康的だった。興味深いのは、実験に参加した最高齢者のエストラジオールの濃度が誰よりも一番高かったことだ。このことが、彼らが85歳から89歳の高齢まで生きることができた秘訣を物語っている。

エストラジオールの割合がより低い男性はこうした年齢まで長生きできなかったばかりか、あまりにも若い年齢で早世していた。

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