2011年の津波と地震で同原発が損壊して以来、東京電力は冷却パイプから100万トンを上回る汚染水を回収した。現在、汚染水は発電所のタンクに貯水されているが、2022年までにスペースがなくなるという。
原田環境相は記者会見で、「唯一の選択肢は、海に放出して希釈すること」と語った。内閣改造を控え、大臣としての仕事を振り返る中での発言だった。
「これから政府全体で協議するだろうが、単に私の意見として述べたい」と付け加えた。
通常、沿岸にある原発では、除去が困難で比較的無害とされている水素の同位体、トリチウムを含む水を海に放出している。地元漁業関係者はこれに反対しており、東京電力は昨年、タンク内にはトリチウム以外の汚染水がまだあることを認めた。
今月初め、外務省は各国在京大使館に向けた説明会を行い、その中で、福島原発の汚染水処理については選択肢を検討していると述べた。説明会には韓国と米国を含む22の国と地域から27名の大使館職員が出席した。参加者から抗議や要求はなかったという。