「iCloudは公式の追跡ツール」 Apple社が裏でバックアップ暗号化計画を断念

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ロシア最大のSNS「フコンタクチェ」とメッセンジャーアプリ「テレグラム」の創設者パーヴェル・ドゥーロフ氏はクラウドサービスについて、Apple社はユーザーのデータをバックアップする「iCloud」が追跡ツールである事実をもはや隠していないとの考えを明らかにした。ドゥーロフ氏は、Apple社がデータのバックアップ暗号化計画を断念したことに関して、自身の意見を述べている。

Apple社は公式サイト上でiCloudを「Appleユーザーのコンテンツを安全に保管し、お使いのすべてのデバイスでアプリケーションを最新の状態に保つことができる」技術と説明している。


今回、米ロイター通信が、Apple社がユーザーに対してデータのバックアップを独自にエンドツーエンドで暗号化することを許可する計画を断念した、と報じたことを受け、ドゥーロフ氏はコメントを発表した。エンドツーエンド暗号化とは、暗号化を使用する利用者のみが鍵を持ち、第三者がデータを取得できないようにする技術。

同通信社は、この件に詳しい6つの消息筋の話として、Apple社は2年以上前に暗号化を計画していたものの、結局はこの計画は発表されなかったと報じている。

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Apple社、低価格の新型iPhoneの発売を計画=ブルームバーグ通信
ロイターによると、Apple社は、ユーザーにAppleデバイスのバックアップを完全な暗号化を許可した場合、FBI(米連邦捜査局)の捜査を妨げる恐れがあるとして、この計画を断念したという。

ドゥーロフ氏は自身のテレグラムアカウントに「これでiCloudは追跡ツールだということが公然となった。(WhatsAppなどの)アプリは、私的なメッセージの保管にiCloudを使っている以上、この問題では同じ穴の狢だ」と書いている。


AppleとFBIの軋轢 なぜこういう結末に? 

ロイターの調査によると、Apple社は2年以上前にFBIに対し、iCloudバックアップのエンドツーエンド暗号化をユーザーに許可する意向を伝えていた。この暗号化計画が実現すれば、ユーザーがiCloudにバックアップした情報はハッキングからは保護されるが、Appleでさえもアクセスできないため、裁判所の命令があってもAppleはデータを当局に引き渡すことができなくなるはずだった。

Apple社は、2019年12月に起きた米フロリダ州米軍基地銃撃テロ事件で十分な捜査協力を行わなかったとして、1月にFBI側から非難を受けた。それに対し、同社は先週、必要な情報は全てタイムリーに提供されていたとして、当局の非難を退けた。

ロイターの情報筋によると、Apple社は米国当局から犯罪者を擁護しているという嫌疑をかけられたくなかったため、iCloudデータのエンドツーエンド暗号化計画の中止を決定したという。

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