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「日本の素晴らしき伝統と文化 でもそれは人命には勝らない」  緊急事態宣言下の日本に暮らす5人の外国人の物語

© Unsplash/Christian MacMillan日本にいる外国人(アーカイブ写真)
日本にいる外国人(アーカイブ写真) - Sputnik 日本
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日本で「緊急事態宣言」が発令されてからすでに2週間以上が経過した。日本政府は欧州各国のような厳しいロックダウンを実施しなかったが、それでも住民は新しい環境に順応しなければならない。通信社スプートニクは、日本に暮らす5人の外国人に、「緊急事態宣言」の発令が彼らの生活や仕事にどれほどの影響を与えたか話を聞いた。

Richさん(英国人、31歳。家族とともに横浜に在住)

「ここには素晴らしい伝統と文化があるが、でもそれは人命には勝らない」


私はB2B(企業間取引)マーケティングの専門家として働いています。個人的な理由で私は2月末に仕事を辞めました。でも、今も同じ仕事をしていますが、今度はフリーランスとして働いています。以前は通勤時間が約2時間もかかっていました。今、家で仕事ができることを嬉しく思っています。また、私は日本人の妻の家族と一緒に暮らしています。妻の父親も一緒で、彼はすでに70歳を超えています。そのため、地下鉄を利用することで家族を危険にさらしたくはありません。

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日本の事態の成り行きを見ていると奇妙に感じます。私が生まれた英国では対応が遅れ、そして、ゆっくりしていました。しかし、私の感覚では、日本の対応はさらに遅いと思います。陰謀論にはまり込みたくはありませんが、しかし、日本政府は、東京五輪が正式に延期されてからやっとウイルスに真剣に取り組みはじめたという印象があります。

私は、欧州のようなロックダウンは絶対に必要だと思っています。これまで通り、街には非常に多くの人たちがいて、たくさんの人たちが積極的に電車を利用しています。日本ではウイルスの爆発的な感染拡大が起こらないという根拠は、私にはまったく見当たりません。

しかし、私は、日本には前向きな変化のための素晴らしいチャンスが現れたと思っています。たとえば、私の妻は現在、産休中ですが、もし働いていたら、彼女は書類にハンコを押すためためだけにオフィスに通わなけれればならなかったことでしょう。日本ではこれまで通り多くの企業が書類の承認の電子化に移行することを望んでいません。日本の伝統や文化は素晴らしいですが、でもそれは人命には勝らないです。

私は、かつてのライフスタイルを恋しく思いますが、そのために命を危険にさらしては意味がありません。私と妻は一緒に家で過ごし、1日に1度だけ娘と散歩するために外に出ます。私たちは配達に完全に切り替え、届いた品物はすべて私が消毒剤で入念に処理しています。


ガーリャさん(ロシア出身の26歳。東京都渋谷区に2匹の犬と暮らす)

「感謝して、もっと誠実に自己隔離を守るべきだと思う」


私は、アニメーションと絵コンテのソフトを開発する企業で働いています。ソフトを販売し、バイヤーのスタジオと連絡を取り合うのが私の仕事です。私は仕事については心配していません。それというのも自己隔離の中で人々は娯楽コンテンツを欲している。つまり、アニメーションスタジオにはとてもたくさんの仕事があり、そしてテレワークができるからです。でも、日本では対面で話をするのが一般的です。残念なことに、スタジオの中には打ち合わせを「自己隔離」が終わるまで、と先延ばしにしているところが多いんです。この状況がいつ終わるのかは分からないのに。

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私は、日本政府の措置は正しいと思いますが、それでも、この規制は十分に厳しいとは言えません。カフェや他の店の多くが営業を中止したので、外出する理由がほとんどなくなりました。でも、多くの企業は未だに週に1回は出勤するよう社員に要請していますし、休日になると大勢の人たちが公園に集まっています。それでも外国人を含め、政府が全ての居住者に10万円を給付するなどは信じがたいほど素晴らしい話です。みんな感謝して、もっと誠実に自己隔離を遵守しなければいけないと私は思います。

みんな状況はそれぞれ違うでしょう。収入が断たれたら、それは辛いにちがいありません。たとえば、ある女子学生の友人は、新型コロナウイルスでアルバイトがキャンセルになりました。この10万円は彼女にはすごく大きな助けになるはずです! 

また、別の女友達は自営業なんですけど、国内旅行の減少で大きなダメージを受けました。彼女も同じように政府の支援に希望をつないでいます。それに、うまく話をつけて、家賃の支払いを当面遅らせることができました。

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大体、私は家にいるのが好きなので、精神的には生じている事態を静かに耐えることができています。身体的には明らかに運動不足を感じています。そのため、安価で中古のバーチャルリアリティヘッドセットを購入し、毎日、ビデオゲーム『Beat Saber』をしています。また、動画を観ながらヨガもしています。それでも以前に比べたらこのくらいの運動では足りません。

いい話もあります。検疫期間が始まった時に2匹目の犬を飼うことにしました。引き取り手のいない子犬です。検疫期間じゃなかったら子犬の世話をする時間は足りなかったはずでしょう。でも、検疫状態にあるから、こうして、自分の愛すべきペットたちと楽しく過ごせているのです。

サーフィンが禁止されたのはとても残念。1週間閉じこもり続けた後、週末には自由の身となるのがすごくよかった。でも大丈夫、これも検疫期間が終わるまでのことです。仕事や勉強に打ち込んで待てば、すべてが元どおりになるのも早いはず。


Lさん(米国人女性。26歳。東京都目黒区在住)

「私は日本政府を信頼する1人でした。でも、今は安全だと感じません」


私は日本に住んですでに5年くらいになります。東京の私学校で文学を教えています。「緊急事態宣言」の下で私たちはオンラインで授業を行っています。正規の職員なので、新型コロナウイルスによる状況は私の給料水準には影響しませんでした。そのため仕事を失うというリスクは私にはなく幸運でした。しかし、残念ながら、国立の学校は一般的に遠隔授業を行う手段がありません。パソコンや他の機器、オンラインの授業に必要なものを自由に使うことができないのです。このことが強い懸念を生んでいます。これが生徒たちの教育レベルに否定的な影響を与えるのではないかと心配しています。

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私は、日本政府を信頼する1人でした。組織力の高さ、自信に満ちた指導部、社会保護を保障するメカニズムや素晴らしい保健システムを信頼していました。でも今、日本政府がとっている措置に私は非常に失望しています。 

日本の検査システムはものすごく恐ろしい。私の友人でウイルスの感染症状が出ていた人が複数いるんですけど、検査を受けるのを拒否されたんです。日本政府が望んでいるのはどんな犠牲を払っても五輪を開催すること。そのためには感染者数の統計を過度に引き下げることになってもです。ほんとに失望させられました。優先されたのは五輪で、人命ではないことは明らかでした。

五輪が延期せざるを得なくなって、日本政府は事態にもっと積極的に関与していくはずだと私は期待しました。ところが日本政府が、何が可能で何がしてはいけないかを説明するなど、日本政府がより明確で分かりやすい措置をとらなかったので、私はこれまで同様に失望させられました。日本にいて、ここが安全だと感じることができません。毎日オフィスに電車で移動する通勤者数はたった38%しか減少しませんでした。人々はこれまで通りレストランで昼食をとろうとしていますし、多くの企業は、たとえ他の人々の命が危険に晒されるおそれがあっても、以前と変わらず従業員に出勤を命じています。これは日本企業で働いている友人たちから直接聞いた話ですが、出社の義務があるので、仕方なく徒歩で通っているんです。日本政府の官僚的な決定システムにはほとほとショックを受け、失望させられました。


Dさん(オーストラリア人と日本人のハーフ。30歳。妻と東京在住)

「今は理想的なところはどこにもないと思う」


私は販売の仕事をしています。しかし、幸運なことに、新型コロナウイルスの状況は私の給料に影響しませんでした。でも私が関係していた多くの企画は中止せざるを得なくなりました。 

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正直言って、私は今は理想的なところはどこにもないと思っています。東京について話すなら、感染者数は急激に増加しています。日本にロックダウンが絶対必要だとは断言できないけれど、たとえばオーストラリアで行われたように、市民が検診を受けやすいよう、日本もアクセスの改善が必要だと思います。

オーストラリアでは現在、厳格な検疫期間措置と優れた検査システムにより、状況は実際に改善しており、感染者数を示すグラフのカーブが平らになりました。でも家(オーストラリア)に帰るというのは得策ではないと思う。どんな旅行も基本的に急ぐべきではないと思っています。

緊急事態宣言」の下では、家族や友人と常に連絡を取り合うよう努力しているため、ネットにより多くの時間を割いていると感じています。


Kさん(フィリピン人女性。25歳。東京在住)

「フィリピンよりはるかに発展した日本に多くを期待していたのに」


私は2校の国立小学校で外国語の先生のアシスタントをしています。以前、私は埼玉県で働いていましたが、今年、会社の指示で東京に転勤となりました。でも結局、新しい職場での仕事始めはかなっていません。現在の新型コロナウイルスの状況からすれば、それは当然のことだと思っています。今の私の唯一の問題は来月の給料が入らないということに限定されています。私たちの仕事は、たとえ正規の職員であっても、基本的に「仕事がなければ給料はない」という規定だからです。生活のための貯えがあるのでよかったです。

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新型コロナウイルスと「第2の冷戦」
正直に言えば、状況に対応するため日本政府が行った措置には驚かされました。私の故郷であるフィリピンよりもはるかに発達した国である日本に多くを期待していたからです。日本政府も日本人も全体としてあまりに長い間、起きている事態を受け入れたくなかったんじゃないでしょうか。そんな気がします。それに「非常事態宣言」は発令されましたが、何かが大きく変わったとは感じられません。東京ではこれまで通りとても多くの人たちが往来しています。店やレストランなんか、状況が落ち着くまで閉店すべきだと私は思うんですが、そんな店がたくさん営業しています。もしもっと早い段階で日本がロックダウンを行っていたら、ウイルスの拡大を抑えられていたんじゃないでしょうか。私の周りには、国の対応に納得していない人たちがたくさんいます。

仕事がないことから私にはたくさんの自由な時間ができました。私はこの時間を自己鍛錬のために使っています。できるだけ外出はせず、すべて自炊をしています。また、日本語の勉強を再開しました。私は、今は、私たちを待ち受ける未来について考え、また、大切な人たちと頻繁に連絡を取るための理想的な時間だと思っています。

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