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「今できることをする」 パンデミックの中でロシアに留まった日本人バレリーナ

柴山万里奈さん
柴山万里奈さん - Sputnik 日本
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中学生の頃の柴山万里奈さんの日常は同年代の若者とさほど変わるところはなかった。大阪出身の柴山さんの父親は医師、母親は専業主婦という普通の家庭に生まれ、学校に通い、そしてたくさんの友だちに恵まれていた。しかし、柴山さんの夢はありきたりなものではなかった。彼女の夢はバレリーナになること。そのため柴山さんは毎晩何時間もバレエスタジオで練習に励み、14歳の時に遠いモスクワに単身飛び込んだ。「スプートニク」のインタビューで柴山さんは、プロのバレリーナへの道が如何に厳しいかについて、また、青い目のロシア人の彼や、新型コロナウイルスによる自己隔離期間中の生活について語ってくれた。
柴山さんがはじめてバレエに魅了されたのは、まだ幼い頃に両親と暮らしていた米国でのことだった。その後、一家は日本に帰国し、柴山さんはバレエスタジオでのレッスンを続けた。放課後、同級生たちが帰宅する中、彼女はピルエット(つま先立ちでの回転)とステップを向上させるため練習へと急いだ。バレエに情熱を注いでいた彼女は、まだ12歳の時にはじめてロシアを旅した。サンクト・ペテルブルクの見慣れぬ建築様式は明らかに彼女の故郷の大阪とは違っていた。しかし、彼女にとって重要だったのはたくさんの劇場とバレエの教育を受けるチャンスがあるということだった。サンクト・ペテルブルクから帰国すると柴山さんは2つのことを堅く決意した。1つはロシア語を話せるようになること。(旅行中、彼女が覚えたのは「ズドラーストブィチェ(こんにちわ)」と「スパシーバ(ありがとう)」の2つだけだった。)そして、もう1つはバレリーナになることだった。

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Публикация от Marina Shibayama (@marishka_ballet)

ロシアの大学、モスクワの生活、親と離れた暮らし

日本で義務教育を終わらせる必要があったが、柴山さんは14歳の時にいても立ってもいられなくなり、ロシアのバレエ学校に入学し、知り合いもなく、言葉も分からない国にたった1人で移り住んだ。両親と離れての一人暮らしは大変だった(柴山さんは毎日数時間、母親と電話で話をした)。それでも毎日バレエの歴史や理論を学び、身のこなしを習得できることは大きな喜びだった。バレエについてはロシアの先生が教える観点はまったく違っていた。日本のバレエスタジオでは回数が重視されたが(ピルエットの回数が多いほど良い)、ロシアでは質、そして伝統的な形式にのっとっていることが要求された。
柴山さんはすでに約10年モスクワで暮らしている。ロシアでもっとも名声のあるモスクワ大学の大学院修士課程で学び、国際コンクールに出場し、さまざまな興行で欧州のツアーに参加している。
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柴山さんが所属するカンパニーがドイツ公演に出かけていたとき、柴山さんはモスクワで隔離生活を送っていた。
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「ちょうど私の所属するバレエカンパニーがドイツツアーに出かけていたのですが、私は大学のテストの時期とかぶって行かなかったんですね…。ツアーは4月はじめまでの予定でしたが、3月半ばに強制的にロシアに戻らされ、2週間の隔離生活を送っていたので、私はツアーに参加しなくてよかったと思いました! 私の最後の舞台はモスクワに残っているカンパニーと一緒に2月24、25日がシンデレラ、2月28日が白鳥の湖でしたが、この舞台が最後でした! 5月にモスクワで行われるコンクールに挑戦しようと思っていましたが、11月に延期になりました!」。
柴山さんは、日本に帰国することは考えなかったという。いつロシアに戻れるか分からないため、ロシアを離れようとは思わなかったからだ。
「日本へ帰国しないでモスクワに残った理由は2つあります! まず日本に帰っても特にすることがないこと! そしてロシアのようなしっかりとした自宅待機がなかったので感染するリスクも高いと考えました! 特に私の父は病院に勤めているので感染するリスクがあります。2つ目は、日本に帰ったらいつロシアに戻ってこれるか分からないからです! 来年マスターの卒業を控えているので、9月から授業に出たいです! なので日本からロシアへ戻れる約束がない状態で日本へは帰れないですね」。
ロシアの劇場は新型コロナの影響でだいぶ前から閉鎖されている。3月16日、オリガ・リュビモバ文化大臣は、すべての文化施設(劇場、コンサートホール、博物館、美術館、映画館)を無期限で閉鎖する命令書に署名した。いつ再開となるのかは誰にも分からない。すべては新型コロナウイルスの状況次第と言える。

ここで「バレエ愛」

スポーツ選手の中にはリモートでコーチとトレーニングを行う人たちがいるが、柴山さんが所属するカンパニーではオンラインレッスンは行われていない。自己隔離期間中に練習をするかしないかは各ダンサーの自己責任となる。「オンラインでのリハーサルはないですね! 完全に個人です。練習する人はする! しない人はしない! 自己責任ですよね! ここで『バレエ愛』を感じます!」。
レッスン場と劇場が閉鎖された後、柴山さんは自宅の1部屋をトレーニング室に改装した。「4月のはじめにバーとリノリュームを買いました! 家でも練習できるようにするためです! 私の住んでいるアパートは2つ部屋があるのですが、1部屋を練習場にしました! 確かに狭いのでたくさん回ったり飛んだりはできませんが、バーとリノリュームを買って良かったと思っています! 確かにブランク後は難しいと思います! そしてこの自粛期間中に、家でも自分で練習を続けた人とそうでない人の差が激しくなると思います! 私は自分のスキルを落とさないためにも練習しているので、ブランクを感じないように頑張ります!」。
柴山さんはモスクワでの隔離期間を一人で過ごしている。両親は日本、同じバレエダンサーの彼はサンクト・ペテルブルクにいる。柴山さんは、彼はラッキーだと冗談交じりに語っている。なぜなら、一緒にいたらいつもと同じように毎日6時間練習しなければならないが、一人だと怠けることができるからだ。「残念ながら、彼はペテルブルクに住んでいます。4月半ばに彼の誕生日だったのでモスクワに来る予定でしたが,来れなくなってしまい…。残念です。
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でも正直なことを話しますね。彼は家でそんなに練習を続けてないと思います。バーやリノリュームも買ってないですし、時々インスタライブでレッスンしているのを観ますが、バレエの体型ではなくなっているのを感じます! すでに話したように、この自宅待機で辛い状況でも練習を続けた者と続けていない者の差が絶対に出ると思います。同業者だから、厳しく見てしまうだけかもしれませんが、一緒に住んでいたらケンカになってしまうので、今は離れていて良かったです。私は毎日バレエを練習したい派なので!」。

「今できることをする」

大変な状況の中でも、柴山さんはプラスの面を見つけようとしている。孤独に苦しまないようにするため、以前から夢見ていたユーチューブチャンネルの開設に取り掛かった。このことでは厳しいバレエの規律が彼女を手助けしている。レッスンも、ユーチューブチャンネルへの新しい配信も、同じようにスケジュールに沿って行うからだ。「私は『今できることをする』という考え方なので、昔からしたいけど時間がなくて出来なかったことを考え、ユーチューブデビューしました! 今では動画の総本数が80本に達したチャンネルとなりました。自分が伝えられる事を伝えたい、そしてバレエとモスクワ在住の日本人から見たロシアをテーマに動画を配信しています!」。
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