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フィギュア 今季グランプリシリーズは新フォーマットで開催 その可能性と問題点は?

© AFP 2023 / Toru Yamanaka荒川静香選手
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国際スケート連盟(ISU)理事会はグランプリシリーズ(GP)開催について妥協案を採択した。新シーズンの開催はコロナウイルスの感染拡大をふまえ、国内大会のフォーマットに限定して行われる。

グランプリは米国、カナダ、中国、フランス、ロシア、日本の6大会で構成されるが、各大会に出場できるのはその国に居住するか、またはそこでトレーニングを行っている選手に限定される。感染拡大の第2波の到来が危惧される中、選手らはグランプリ開催が完全に、または部分的に中止となるのではないかと心配しながら練習を続けてきたが、今回のISUの決定で選手らは完全なる五里霧中状態からは多少の脱却は叶った。

この状況に詳しいスプートニクの消息筋は、グランプリについての決定はコンセプトであるとして次のように語っている。

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「重要なのはISUには開催するか、しないかという2つの選択肢があったが、ISUは最終的には今季の開催を決めたということだ。これは録画映像ではなく、本物の大会でいつものようにISUホールディングスのメディアパートナーがテレビ中継を行う。」

審査をどうするかについての詳細はまだ討議されていない。消息筋によると、感染状況から審査員も選手と同様、大会が開催されているどこかの国へは入国できない事態もありうるからだ。

今回のグランプリで重要な変更は、出場回数は従来の2回までに代わって1回のみ。これで感染拡大の複雑な時期に選手らの重荷は半減する。また国内の大会となればロシアのことわざにある「自宅であれば壁でさえ支えとなる」という状態で、スタート時に味わう不安も楽に克服できるかもしれない。

とはいえ、事はそう簡単に進むのだろうか?  これについて、スプートニクは功労監督のアレクセイ・ミーシン氏に取材した。

ミーシン監督はグランプリの審査は今までの規定は明確でシンプルだったものの、今回の開催方法ではどういう採点になるかはっきりしないとして、次のように語っている。

「選手は大会ごとに点をもらい、それを足し算していく。高得点を取れば、高順位につき、ファイナル出場権を得る。そこでさらに最高点の獲得者がチャンピオンになるのが従来だった。ところが今回は誰が強いのかどうやって決めるのかがわからない。なぜならスタートとなる大会に参加する回数が少なければ(今回はこれがわずか1度となる)、まぐれで勝利または敗退する可能性が高くなるからだ。例えばロシア女子の強い選手は誰もがグランプリの6つの大会で首位に立つ力を持っているが、ロシア国内で争いあえば4位、または5位になってしまう恐れがある(強豪揃いのためにファイナルに出られない)。こんな風にシーズンを開始することを私は恐れている。なぜならどんな大会も一番の意味は一番強い選手を決めることにあるからだ。」

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ミーシン監督はISUがグランプリ開催の意図を保持していることは非常に前向きだと評価する一方で、不明な箇所もまだ残されていると語っている。

「ISUの大会開始を歓迎する。だがさらに、国際大会のスポーツ精神が逸することのないよう取り図る必要はある。これらの大会の目的は最強選手を見出すことにある以上、新たな条件でどう見極めることができるのか、私にはまだよくわからない。」     

グランプリのカレンダーでは、広域な地域ごとに開催される大会は2回。北米はカナダと米国、欧州はフランスとロシア、アジアは中国と日本。これによりそれぞれの大会に出られる選手は同じ地域出身者に限定される。

現段階ではグランプリシリーズのファイナルは12月10—13日で中国で開催の予定だが、選手らは2週間の自主隔離期間を経ずに大会に出場ができる。コロナ感染状況はいずれにしても警戒を要するため、スプートニクの消息筋は状況悪化によっては中国でのファイナルは日にちは変更となる可能性もあると語っている。

現段階ではグランプリの開催予定は次の通り。スケートアメリカが10月23—25日。スケートカナダが10月30日から11月1日。中国杯が11月6—8日、 フランス国際が11月13—15日、ロステレコム杯(モスクワ)が11月20—22日、NHK杯(日本)が11月27—29日。ただしこの予定表は変更もありうる。 例年は開催地は重なることはないが、今年のファイナルは前記のとおり、中国で2度目の開催となる。

ISUは2020年初頭に2020/21シーズンからの採点規定の修正を宣言し、5月に発表していたものの、翌6月にはパンデミックによるトレーニングの影響をふまえて規定を修正前に戻している

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