人間の自己評価、文化的な特徴が影響

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人間の自己評価というものが年齢によって変化するという研究結果が出されて久しいが、最近、日本の研究者らは、民族性や文化的伝統によって、このプロセスに違いがあるとの結論を導き出した。学術誌「フロンティアズ・イン・パブリック・ヘルス」が伝えた。

欧米の社会学者らはこれまでに数多くの研究を行ない、欧米市民の自己評価は幼年時代には高く、未成年期に下がるが、その後また高くなり50歳から60歳にピークを迎えた後、また下がるとの結果を発表している。また最近まで日本の研究者らも同様の結論を導き出していた。

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しかし、これまでに実施されてきた自己評価に関するあらゆる社会調査には共通した欠点があった。1つめは、70歳以上の市民が調査の対象とされてこなかったこと、2つめは自分自身への好感(自身に対する感情)だけを自己評価の基準としてきたことである。実際には自己評価には、自尊心、自信(有能で、有益な人間だという認識)など、複数の判断基準がある。

このたび、東京大学と京都大学の研究者らは、日本に住む16歳から88歳までの6,113人の市民を対象に調査を実施し、これまでに実施された研究結果に新たな修正を加えた。調査では、日本人は未成年期の自己評価は低く、欧米人と同様、年齢とともに次第に高くなっていくが、欧米人は50歳から60歳を超えると再び下がっていくのに対し、日本人の間では男性も女性も低下しないことが分かったのである。

この結果は、日本人は欧米人に較べ、自己評価そのものが総じて大きくないため、高齢化とともにそれが低下しても目立たないとも考えられる。しかし一方で、日本人研究者らは、別の要因があると指摘する。たとえば、日本人は伝統的に高齢者に対する尊敬の念を持っていること、また国による高齢者の道徳的、社会的支援が充実していることなどである。そこで日本の研究者らは、自己評価は、通常、未成年期から上がり始めるが、その後どのような軌道を描くかは、文化によって異なるとの結論を導き出している。

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