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記憶の分子メカニズムが発見される

CC0 / Pixabay / 神経細胞
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米国の学者たちは、記憶形成がクロマチン(核酸とタンパク質の複合体)によって制御されていることを明らかにした。研究結果がNature Neuroscience誌に掲載された。

脳が記憶を形成するとき、出来事の詳細はエングラム細胞と呼ばれるニューロンの鎖によって符号化される。その後、人間が何かを思い出すと、これらの細胞が活性化される。

一方、このプロセスの分子メカニズムはこれまで分かっていなかった。しかし、これらの細胞の記憶の符号化は、細胞のクロマチンを構成するタンパク質とDNAの大規模な構造的再配列によって制御されていることがわかった。記憶の保存に関与する遺伝子がより活発化するという。

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研究者が解説 なぜ人間は悪い出来事を忘れるのか
新しい経験を積む過程、及びその後の数日間でクロマチンの構造が変化することが判明した。これは記憶形成を司る細胞を働かせる。学者らは、DNAの多くの部分がこのようなクロマチンの構造変化の影響を受けることを明らかにした。それが起こっている場所では、クロマチンはより緩くなり、DNAはよりアクセスしやすくなる。これらの「活性化された」領域のほぼすべてが、遺伝子はないがエンハンサーが存在するDNAの部分(遺伝子と相互作用して遺伝子をオンにすることを助ける非翻訳領域)にあることがわかった。

記憶形成の過程でクロマチンの緩みの複数の波が発生し、エンハンサーが活性化されて遺伝子の発現が上昇、そして遺伝子がタンパク質を合成し、タンパク質がニューロン間の接続を活発にする。

学者らは次の段階で、アルツハイマー病をはじめとした記憶能力の低下に関連する神経変性疾患の発症にクロマ​​チンがどのように影響するかを研究する計画。

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