世界で初 ブラックホールが星が吸い込む「死」の瞬間が観測

© 写真 : NASA/ CXC/A.Hobartブラックホール
ブラックホール - Sputnik 日本
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世界中に配置されている宇宙望遠鏡を使って、2億1500万光年と記録的な近距離で、ブラックホールに星が吸い込まれて死ぬ瞬間が観測された。ヨーロッパ南天天文台が発表した。

科学者らはヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡(VLT )と新技術望遠鏡(NTT)を用いてフレアをとらえることに成功した。

ブラックホールは、その一帯の時空の重力が極端に大きく、いかなる物体も光などの波もそこを離れることができないため、穴を覗き込むことは不可能。このため科学者らはフレアをはじめとする二次的証拠に基づいて ブラックホールの存在と構造についての帰結を出している。

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「『ドスン』とくるような大物の重力波」 研究者らがユニークなブラックホールを発見
ブラックホールは実際はその名に反して中身が空っぽなわけではない。むしろ逆で、中は圧縮され、縮小した大量の物質が詰まっており、これが大きな引力を生じさせている。いかなる物も水平線の境界を越した後は「帰還不能限界点」を通りぬけ、これい所は重力の罠から抜け出ることができない。

今回、ブラックホールに落ちた星はその引力ゾーンでも地球に極めて近いエリアで吸い込まれたため、科学者らは星の死ぬ瞬間をほぼ確実に観察することができた。

重力の働きを受ける星はやがて細い糸に分かれ、ブラックホールに吸い込まれていく。その様子がスパゲッティを吸い込む様子に似ているので、そのままの表現をとって「スパゲッティ化現象」と名付けられている。

星の物質の細い糸がブラックホールに入り込むと、ものすごい量のエネルギーが放出され、これが明るいフレアをうむ。フレアは天文学者らも観察し、フレアの集中度などから死にゆく星の質量を導きだした。それによって星の質量は太陽と同じであることがわかった。

今年のノーベル物理学賞はブラックホールの構造が相対性理論を確証することを発見し、天の川の中心で超巨大なブラックホールが発見されたことに対して授与された。

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