英マウントバッテン卿の書簡が公開 いとこの大公女アナスタシア生存説に反証

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英国で、ロシア皇帝一家と親戚関係にあるルイス・マウントバッテン卿の書簡が公開された。その書簡の中でマウントバッテン卿は、最後のロシア皇帝、ニコライ2世一家の処刑で生き残ったとされる大公女アナスタシア生存説に言及している。

ルイス・マウントバッテン卿は、ニコライ2世の皇妃アレクサンドラ・ヒョードロヴナの甥。英王室のエリザベス2世の王配、エディンバラ公フィリップ王配の叔父にあたる。今回公開された書簡は、1975年3月11日付のもの。

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マウントバッテン卿は書簡で、大公女アナスタシアが処刑から生き延びたという「アナスタシア生存説」を反証。アナスタシア生存説は広く知られており、ディズニーアニメのモチーフにもなっている。

公開された書簡では、以下のように記されている。

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「私のいとこであるロシア大公女アナスタシアは、一家とともに殺されたことは間違いありませんが、彼女の場合、即死ではなく銃剣の一撃で殺害されたのです」

マウントバッテン卿が書簡で述べているように、この生存説は長く、費用のかかる訴訟を引き起こすこととなった。しかし、最終的にドイツの高等裁判所が、大公女アナスタシアを名乗るポーランドの工場労働者アンナ・アンダーソンは、アンダーソンが当初主張していた大公女アナスタシアでも、姉の大公女タチアナでもないとの判決を下した。

英紙デイリー・メールによると、アンダーソンは1922年、自分はロシアのエカテリンブルクでのニコライ2世一家の処刑を生き延びた大公女アナスタシアだと主張。しかしアンダーソンは法廷でその主張を証明することはできなかった。その後、アンダーソンは精神疾患を患ったポーランドの工場労働者、フランツィスカ・シャンツコフスカであると確認された。

​マウントベッテン卿はアナスタシア生存説に大きな関心を持ち、アンダーソンの偽りを暴くために証拠集めに参加した。卿はアンダーソンの主張に異議を唱えるべく弁護士に数千ポンドにのぼる費用を費やしたという。


ロシア最後の皇帝ニコライ2世一家の処刑

ロシア最後の皇帝ニコライ2世とその一家は1918年7月、エカテリンブルクのいわゆるイパチェフ館で銃殺された。皇帝一家の遺骨の埋葬地は長らく謎だったが、1991年、エカテリンブルク郊外で皇帝夫妻と3人の皇女の遺骨と思われるものが発見された。

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さらに2007年、その埋葬地から遠く離れていない場所で別の遺骨が発見された。この遺骨はアレクセイ皇太子とマリア皇女のものとみられている。ロシア正教会は2000年、ニコライ2世一家を列聖した。エカテリンブルク郊外で発見された遺骨は、サンクトペテルブルクの首座使徒ペトル・パウェル大聖堂の納骨所に埋葬された。

しかし、ロシア正教会は証拠が不十分だとして発見された遺骨が皇帝一家のものであると認めていなかった。調査委員会の代表者は2018年7月、分子遺伝学的検査により、これらの遺骨は皇帝一家と使用人たちのものであることが確認されたと発表した。

さらに専門家らは、同大聖堂に埋葬されたアレクサンドル3世(ニコライ2世の父)とニコライ2世のものとされる遺骨には血縁関係が認められることを立証した。

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