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フィギュア特集

「紀平選手、コストルナヤ選手と共に仕事をしたい」 エレーナ・ラジオノワさんインタビュー

© Sputnik / Vladimir Pesnya / メディアバンクへ移行Елена Радионова
Елена Радионова - Sputnik 日本
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フィギュアスケート界では、このところ、競技会に出場する選手の年齢制限の引き上げが再び議論されるようになっている。これは、技術の難易度を上げようとするあまり、成熟した女性のスケーティングが「葬り去られている」という現状を変えようとするものである。現在、才能溢れる女子スケート選手の多くが、より年齢の低い選手たちがこなす難易度の高いジャンプに太刀打ちできなくなり、18歳から20歳という年齢で引退せざるをえなくなっている。エレーナ・ラジオノワさんは、史上初めてジュニア世界選手権大会で2度チャンピオンに輝き、シニアでも世界選手権で銅メダルを獲得した。しかし、2020年の秋、彼女は21歳という若さで現役引退を表明した。

「スプートニク」はエレーナさんに今後どんなことをしたいか、スポーツから何を学んだか、また引退を決めたことは、トリプルアクセルや4回転が跳べないと、これからのフィギュア界を生き抜いていけないという現状によるものなのか、お話を伺った。

エレーナ・ラジオノワさんは、引退の理由は、ホルモンの乱れによるものだと述べている。これにより、今後、フィギュアの練習を行うのは難しいと判断したという。そこで後進に道を譲り、自分自身は人生の新たなページを開くことに決めたと語っている。

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才能について

エレーナさんは若い頃、トレーニングで最初に3回転のコンビネーションジャンプを習得した最初の選手の1人だった。当時を回想し、エレーナさんは次のように話している。「当時は、想像できないほど難易度の高いものだと思われました。すごいすごいと皆に言われていました。しかし、それから数年すると、若い選手たちは4回転を跳ぶようになりました。もし今わたしが12歳から14歳くらいの年齢だったなら、わたしも絶対に跳べるようになっていたと思います。技に磨きをかけるのに、終わりはないのです。しかし、わたしは今の現状を、避けられない客観的現実だと受け止めています」。

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エレーナさんは現役引退を表明した日は、精神的にとても苦しんだと打ち明けている。「その日まで、本当に辞めてしまっていいのか悩み苦しみ、またもっと競技を続けたいという気持ちもありました。しかし、継続し、成功できるかどうかを決めるのは、才能が10%、そして残りの90%は努力と運、そして野望です。わたしの今の健康状態では、全力でトレーニングすることができませんし、面白いけれど、将来の展望がないままに何かをすることもできません。今は、自分に正直になって、人生の新たなページを開こうと思っています」。


今後について

それでもエレーナさんは、フィギュアスケートの世界で、今度は振付師として活動していきたいという夢を持っているという。「振り付けはとても気に入っているんです。ですから、うまくいくと信じています。色々な選手と共に仕事をしたいと思っていますが、中でも一番、一緒にやってみたいのはアリョーナ・コストルナヤ選手と紀平梨花選手です。2人とも大きなポテンシャルを持っていて、非常に美しいスケーティングをする選手だからです」。

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スキャンダルについて

スキャンダルは以前からフィギュアスケート界につきものだが、エレーナさんはかつては人間関係に関する細かいうわさ話がアイスリンク外に出ることはなかったと話す。

「現在は、選手やコーチの生活に関するあらゆることがメディアで報じられ、ネット上であっという間に拡散されます。誰にでも自分の意見をいう権利があり、それで選手の話題を集めることになります。しかし、重要なのはファンやブロガーの意見が正しくあること、侮辱や誹謗中傷はやめること、そして許される範囲を知ることです。そうでなければ、“話題”が選手の精神状態に悪影響を与え、選手は良い演技ができなくなってしまいます」。


日本について

「わたしは日本が大好きです。日本にはよい印象しかありません。というのも、日本ではいつも良い演技をすることができたからです。日本の何が素晴らしいのかわかりませんが、日本人は特別な民族です。いつもオープンな気持ちでわたしに接してくれ、明るく、ポジティブです。ロシアでは、フィギュアスケートをめぐって、ネガティブな発言、批判、陰口が横行しています。しかし日本の人々は、心から選手全員を応援し、好きな選手であれば、その人の人生に何があっても、応援し続けます。大会でもそれが反映されていて、会場はとても楽しい雰囲気です。ですからできるだけ多く、日本で滑りたいと思っています」。

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エレーナさんはショッピングをする場所としても、日本がお気に入りなのだという。「日本にいると、目に入ったものすべてが欲しくなります。日本の製品はとても質が良いからです。中でもとても印象に残っているのがドラッグストアです。多くのフィギュア選手が、日本に来るときは1つのスーツケースだったのが、帰りには3つになっているというのも驚きではありません。日本のファンの方々は必ずプレゼントをくれますからね」。


フィギュア選手について

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エレーナさんには大ファンと呼べる選手はいないが、女子シングルでは、浅田真央、キムユナ、カロリーナ・コストナーの演技がとても好きだったと話す。「この3人が一番好きな選手です。いつも3人の演技を見て感動していました。大会でも彼女たちをいつも応援していて、多くのことを学びました。初めて、シニアのグランプリ・ファイナルに出場したとき、浅田真央選手がいました。当時すでに世界のスターだったので、わたしはとても緊張して、ドキドキしながら、応援の言葉をかけ、サインをお願いしました。浅田真央選手、安藤美姫選手、宮原知子選手といったスターたちと知り合い、そばでスケートをすることができたことはとてもラッキーだったと思います。日本の選手たちとはアイスショーでも共演していますが、皆、とてもポジティブです。彼らとの共演はいつも興味深く、楽しいものです」。


スポーツに対する感謝の気持ち

若くして現役引退を決めたエレーナさんだが、トレーニングに長い歳月を費やしたことに悔いはないと言い切る。「スポーツはわたしの性格を作り上げ、鍛えてくれました。普通の学校に通うだけの生活からは得られない大きなものを学ぶことができました。多くの興味深い人たちと出会い、いまも交流を続けています。皆、わたしをサポートし、ためになるアドバイスをし、人生を良い方へと導いてくれています。加えて、スポーツによって、たくさんの地を旅することができましたし、少し有名にもなり、金銭的な援助も受けることができました。もちろん、敗北も経験し、怪我もしました。しかし、転ばずに跳躍することなどできません。フィギュアスケートがくれたすべてに感謝しています。この経験は今後のわたしの人生を助けてくれるものになるでしょう」。

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