トランプ氏は退任したが弾劾手続きは続く トランプ氏の政治生命はどうなるのか?日本の専門家が語る

© AP Photo / Jose Luis MaganaДональд Трамп целует американский флаг
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ドナルド・トランプ氏は米大統領を退任したが、これで先に始まったトランプ氏の弾劾手続きが途中で終了するということではない。トランプ氏は2度目の弾劾裁判でも有罪を回避することができるのだろうか?トランプ氏の今後政治生命はどうなるのだろうか?通信社スプートニクが、明治大学政治経済学部の井田正道教授にお話を伺った。

トランプ氏弾劾の理由とは?トランプ氏は政界から去るのか?

トランプ氏は、自身の支持者に暴動を扇動したとして弾劾追訴された。弾劾手続きが始まった理由となったのは、1月6日にトランプ大統領の支持者が共鳴して連邦議会議事堂を襲撃した事件だ。この事件では、議会警察の警察官1人を含む5人が死亡、数十人が逮捕された。

トランプ氏は事件後も「選挙は盗まれた」と主張し続け、デモ隊を「偉大な愛国者」と呼んだ。トランプ氏は政治家だけでなく、SNS企業からも非難を浴びた。ツイッターやフェイスブックなどの大手SNSがトランプ氏のアカウントを停止した。

一方、民主党がトランプ氏を政界から「追放」できるかどうかはまだわからない。多くの人が、弾劾裁判で有罪となる可能性にかなり懐疑的だ。しかしこれは有罪が不可能という意味ではない。

井田教授:トランプ氏の再登板を望む動きが今後も続く可能性はありますが、当面は上院での弾劾裁判がどうなるかがポイントとなるでしょう。すでに下院で弾劾訴追され、共和党から10人の造反がでました。ウクライナ疑惑で弾劾訴追された約1年前と比べると明らかに共和党内の『トランプ離れ』が起きていますが、下院共和党議員のなかの造反率は5パーセントにとどまりました。上院では共和党議員の3分の1にあたる17人以上が造反しなければ有罪とはならないのでハードルは高いですが、上院で弾劾裁判が行われる時にはすでにトランプ氏は大統領の座にいないこと、およびここ数日のマコネル共和党院内総務の言動などをみると予断を許しません。仮に有罪となり、さらに公職立候補禁止規定が可決されればトランプ氏の政治生命は絶たれることになるでしょう。ともかく当面は、『トランプ党』といわれた共和党の『トランプ離れ』がどの程度進むかがトランプ氏の今後の政治生命に関するポイントになると思います。

トランプ氏の弾劾裁判はいつ始まるのか?

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トランプ氏はバイデン氏の就任後に被告席に立つのか? 米新政権はどこまで前任者の「抹殺」を目指すのか?
現在、上院の議席配分は民主党と共和党が50議席ずつとなっている。トランプ氏の弾劾が成立するためには上院議員の3分2の賛成が必要となる。

一方、弾劾裁判がいつ開始されるのかは今のところ不明。ナンシー・ペロシ下院議長は弾劾告発書をまだ上院に送付していない。これはおそらく、ジョー・バイデン米新大統領の意向と関係している。バイデン氏は議員らに、今は新型コロナウイルス対策のための最優先プロジェクトの承認に集中するよう求めた。

民主党の有力者ジェームズ・クライバーン下院議員によると、この問題の解決は非常に長引く可能性がある。同氏は、弾劾告発書が上院に送付されるのは、バイデン氏の大統領就任から100日後になると予測している。

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