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潜水艦「そうりゅう」の事故は誇張されすぎている?

そうりゅう型潜水艦 - Sputnik 日本, 1920, 10.02.2021
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日本の海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」が、2021年2月8日午前、高知県足摺岬沖で貨物船と衝突し、大きく取り上げられているが、報道は誇張されすぎではないだろうか。たとえば、米シンクタンク、ランド研究所のアナリストで海軍士官のブラッドリー・マーティン氏は、そうりゅうは衝突の後、潜航できない状態であるとの見方を示した。また潜水艦の船員らが十分に訓練されていなかったのではないかとの見解も出ている。

「スプートニク」は、手元にある、海上保安部が航空機から撮影した損傷後のそうりゅうの写真を基に、事故について検証してみたい。

損傷の程度

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写真では、船体中央から横に延びる潜舵の右舵側に損傷を受けているのが分かる。また同じく右側の艦橋にも衝突によるゆがみが見られる。

さらに潜望鏡と通信用のアンテナも、おそらく艦橋のゆがみによって損傷を受けた。そのため乗員は衝突事故について通報できず、携帯電話を使ってようやく司令部に連絡を取ることができた。

これ以外に、とりわけ沈没の危険性を思わせるような損傷は写真では確認できない。

報道で伝えられているような損傷、また写真で確認できるような損傷であれば、潜水艦は戦闘能力を維持することができ、潜水も可能である。潜航や浮上は艦首部と艦尾部の潜舵を使って行われるが、艦尾部の潜舵のみでも操縦することができる。たとえば、ソ連海軍の潜水艦は、戦時中、同じような損傷を受け、それを修理できないまま、作戦海域に留まり、航行を続けた。

現在は戦争状態ではないことから、そうりゅうの艦長は浮上し、修理のため、基地に戻るべきだと判断したと見られる。

深刻な打撃はほぼ回避 

潜水艦と大型船が衝突した場合、潜水艦が沈没することがある。1981年10月21日、ソ連の潜水艦S178が冷蔵運搬船と衝突するという事故が発生した。艦首に受けた衝撃は潜水艦の中央まで達し、潜水艦は40秒で沈没、32人が死亡した。

今回の事故でそうりゅうと衝突した貨物船オーシャン・アルテミスの排水量は約5万トン、そうりゅうは4,200トン。つまり、貨物船の排水量はそうりゅうの12倍ということになる。船の大きさを比べても、貨物船は全長229メートル、幅38メートル、一方のそうりゅうは全長84メートル、幅9メートルである。

もしこの2隻が正面衝突したなら、潜水艦は間違いなく沈没していただろう。船と船の衝突では、より小さい船がより大きな損傷を受けるのである。

今回の事故でそうりゅうは船のもっとも上の部分に損傷を受けていることから、船が潜水状態にあったことは明白である。貨物船の吃水は14.9メートル、潜水艦は水深およそ14メートルを航行していた。これは潜望鏡を使用できる深さである。

船体の上部および潜舵の損傷は、船体の端の接触によるものであることを物語っている。おそらく、そうりゅうはキール(竜骨)などの突出した部分に接触したのであろう。

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写真では、艦首部分の潜舵に損傷を受けたそうりゅうが潜水した状態で映っている。潜水艦は潜航し、衝突を回避しようとし、それにほぼ成功した。そうりゅうは貨物船から1メートルほど離れることができたのである。

何が起きたのか?

これらの状況に照らすと、どのように事故が起きたのかを順序立てて推測するのはそれほど難しいことではない。

潜水艦は潜望鏡が使える水面近くの深さにまで浮上した。

アクティブソナーは、水中で魚雷の誘導のためにしか使われない。周囲の艦艇の探知には、水中音響ステーションが使われる(スクリュー音を検知する)。しかし、この水中音響ステーションは水深の浅い場所では、波の音で歪みが生じるため、あまりうまく機能しない。また漂流する船や速度の遅い船を発見することもできない。そこで乗員たちは、浮上する際、必ず潜望鏡で水平方向の全周外景を確認する。

潜望鏡で船員たちは、貨物船が危険な距離にあることを確認したため、艦長は潜水し、衝突を避ける方向に旋回するよう指示を出した。しかし、ほんの少し間に合わず、接触してしまったのだろう。船員の行動は正しく、迅速に行われた。少しでも措置が遅れていたら、船は沈没していただろう。

そうりゅうは水中で衝突位置を離れ、その後、浮上し、基地に戻ると判断した。

潜水艦にとって、浮上はいつでも危険な動きである。今回の事故はおそらくいくつかの状況が重なって起きたものだと考えられる。

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