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新型コロナウイルス
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新型コロナによる打撃ロックダウンと感染予防対策用品が環境に及ぼす影響

© Sputnik / Vladimir Astapkovich / メディアバンクへ移行感染予防対策用品
感染予防対策用品 - Sputnik 日本, 1920, 02.03.2021
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新型コロナウイルスは世界中ですでに1年以上にわたり猛威を振るっている。この間、影響を受けなかった分野は1つもないと言っていいだろう。新型コロナが環境にどのような影響を与えているのか、長引くロックダウン措置に何かしらプラスの面はあるのか、「スプートニク」の記者が国際環境NGOグリーンピースの専門家にお話を伺った。

1年の環境を総括する

中国の武漢で初めてコロナウイルスの感染が確認されたのは2019年の12月31日である。そして1月にはアジア諸国、米国、欧州諸国でも感染者が確認された。同時に、各国はまず中国との航空便の運休を決め、その後は国際線の運航を停止した。これらの措置は世界的な感染拡大のスピードを鈍化させ、緊急時に備えた職員や医療体制の準備を行うことを可能にはしたが、それでもコロナの感染拡大は世界中に広まった。コロナ時代の象徴の一つとなったのが、マスクの着用である。2020年に撮影されたすべての写真にマスクが映っている。個人用の感染予防対策用品は毎日、交換する必要があることから、環境への影響も無視することはできなくなった。2020年の環境の変化について、「スプートニク」は国際環境NGO「グリーンピース」のロシアの専門家、ドミトリー・ネステロフ氏にお話を伺った。

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「コロナの感染拡大による制限の一つとなったのが、多くの国における交通機関の運休です(第一に挙げられるのが航空便の運休)が、これにより、世界的な二酸化炭素の排出量は2020年に比べておよそ7%減少しました。もっとも大幅に削減されたのが米国と欧州諸国で、11~12%。これは2008年の経済危機、あるいは1979年の石油ショックのときを上回る規模の減少です。世界気象機関のデータによれば、コロナの感染拡大の効果は記録的ではあるものの、炭素の蓄積を止め、気候変動の進行を緩やかにするには少なすぎます。

このほか、地球の環境には、各地の事故による影響もあります。たとえば5月29日にノリリスクでは、燃料タンクが破壊し、大量のディーゼル油が河川に流出するという事故があり、北極圏で大規模な環境汚染が引き起こされました。あるいはカムチャツカで起きた環境汚染はいまだに研究者らの間で謎のままとなっています。

総じて、廃棄物処理の問題について言えば、世界の多くの国々で、ゴミ改革が失敗に終わっているという事実があります。たとえば、ロシアでは環境分野の国家プロジェクトの予算も、リサイクル推進と分別収集開始に充てられることになっていた費用も、コロナ対策にまわされています」。


ウイルス感染防止対策は環境への攻撃である

ロックダウンが環境にどのような肯定的な役割を果たすのか、なぜマスクや手袋についてはこれからまだ長期的に考察する必要があるかについて、ネステロフ氏は次のように述べている。

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「国連の統計によれば、自主隔離措置は、ある肯定的な成果を出しています。それは大気中への二酸化炭素の排出量の大幅な削減です。一方で、厳しい制限措置によって、医療用廃棄物や感染予防対策用品、プラスチック製の使い捨て食器が大量に消費され、それらの量は1年未満の間に10%増加しました。グリーンピースは医療用マスクが自然界や海、川、貯水池などに大量に蓄積されていることを確認しています。現時点で、この損害の規模を評価することは不可能で、概算すらできない状況です。雑誌「エンバイロメンタル・サイエンス・アンド・テクノロジー・ジャーナル」によれば、パンデミックが起こってから、世界中で毎月1,290億枚のマスクが使われています。これは、年間で計算すると実に6,200万トンに相当し、ロシアほどの大きさを持つ国が年間に出す廃棄物の規模を少し下回るほどの量です。医療用マスクは主にプラスチック、不織布で作られています。これが環境に廃棄されると、陽光や降雨などの自然現象の作用により、マイクロプラスチックとなり、後に海や河川に入り込み、食物連鎖によって、あるいは直接ホコリと一緒に人間の体内に取り込まれる可能性があります。

手袋はポリエチレン、ラテックス、ポリ塩化ビニル、ニトリルでできています。理論的に、ラテックスは天然ゴム、ニトリルは合成ゴムで、2~3年は自然界に残り続けます。ポリエチレンとポリ塩化ビニルはマイクロプラスチックとなり、しかもポリ塩化ビニルは燃焼すると有害ガスが生成されます。

すべての手袋に原材料が記されているわけではないことから、手袋を原材料別に分別して、処理することは実質、不可能です。しかももう1つ問題があるのです。手袋が、症状のない感染者の手にはめられていた場合は、自動的にカテゴリーB、つまり感染の可能性があるものに分別されます。ですから、非常事態宣言が解除されておらず、マスクと手袋の着用が義務付けられているすべての場所では、その手袋を別々に回収し、医療用廃棄物に分別する必要があるのです。

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ロシア連邦消費者権利及び福祉監督庁が、マスクと手袋を着用するよう推奨した際に、正しい廃棄の仕方について、医療用廃棄物として廃棄するのか、一般のゴミとして廃棄するのかを説明しなかったということを理解する必要があります(ロシアでもその他の多くに国々でもかなり以前から、家庭用ゴミとは別に収集、処理されている)。さらに、石油産業はプラスチックの製造量を増加させようと、国民のコロナ感染への恐怖心をうまく利用しています。コロナウイルスの特性に関する情報が不十分であることから、人々は使い捨てのものをより多く使えば、感染拡大を止めることができると考えています。地域によっては、食料品や食べ物のデリバリーが増えたことにより、パンデミック以前に比べて、プラスチックの使用量も平均で20%増加したというところもあります。

最後に、このインタビューを読んでくださり、コロナ禍にありながら環境への損害を最小限に留めたいと考えてくださった皆さんにいくつかお願いがあります。洗って、繰り返し使えるマスクを使ってください。それから手袋をするよりも、よく手を洗うことです。手袋は、正しく外すことができなければ、さらに多くの菌を手につけることになるのです」。


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