900頭のスペイン牛、2カ月の船旅を経て殺処分へ

© REUTERS / Darren StaplesТелята на ферме в Великобритании
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地中海を2カ月半にわたって航海したスペイン牛、およそ900頭が数日以内に殺処分される。いずれも子牛で、荷下ろしはすでに始まっている。ヨーロッパ・プレスが報じた。

レバノン国籍の船舶「カリム・アラー」は895頭のスペイン牛を積み、2020年12月18日にスペインのカルタヘナ港を出港して輸出先のトルコに向かった。しかし、トルコ政府は家畜がウイルス性の病気「青舌病」(ブルータング)に感染している可能性があるとして、荷揚げを拒否した。これに対し、スペイン政府は出港前に感染が無いことを示す証明書を発行したとしてトルコ政府の決定に抗議した。

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その後、船はレバノンでの荷揚げを希望したが、受け入れを拒否された。また、飼料補給のためチュニジアに寄港を希望したものの、これも拒否された。船はようやくイタリアで寄港が許可され、飼料を供給し、無事にカルタヘナ港へと帰還した。

船の所有者側は家畜に伝染病は確認されていないとし、殺処分から救い出そうとしたものの、スペイン農業省は獣医らによる検討の結果、家畜が船での移動に耐えられる状態にはないとして、殺処分を決定した。家畜にブルータングが確認されているかどうかについて、スペイン政府は明言していない。

動物愛護団体はスペイン政府を相手取って訴訟を起こしたが、マドリード最高裁判所は殺処分を妥当とする判決を下した。

報道によると、2カ月半におよぶ航行の間で30頭近くが死亡したという。

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