ウクライナ外務省がボルシチの無形文化遺産登録目指す、ロシアでは懐疑的見方

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東スラブ民族が暮らす地域で主に親しまれているスープの「ボルシチ」。ウクライナ外務省はこの料理を純粋にウクライナの民族料理としてユネスコの無形文化遺産に登録することを目指している。これについて露連邦議会下院(国家院)国際問題委員会のエレナ・パニナ委員長はウクライナ政府の試みが徒労に終わると見ている。

報道によれば、ウクライナ外務省はボルシチをユネスコの無形文化遺産に登録申請を行った。ウクライナ政府のアレクサンドル・トカチェンコ文化・情報政策相は申請書「ウクライナ・ボルシチの調理文化」をパリのユネスコ本部に送付したとしていた。

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露下院国際問題委員会のパニナ委員長はリアノーボスチ通信の取材に応じた中で、ウクライナ政府の試みを次のように評価した。

ウクライナ政府がロシアのボルシチに挑戦すること自体、ばかげている。というのも、この料理は現在のロシアやウクライナだけでなく、ほかの国でも長年にわたって親しまれてきたからだ。

パニナ委員長は「料理対決」に政治的対立が反映されていることは遺憾とコメントした。同様の例はこれまでにアルメニアとイスラム諸国の間でも起こっていた。コーカサス地域で愛されている丸パンの「ラヴァーシ」もまた同様に国際的対立の渦中にあった。これについてユネスコはそれぞれのラヴァーシを無形文化遺産として登録する決定を下した。

したがって、ボルシチを純粋にウクライナの遺産として認定する期待は薄い。これまでの経緯からも明らかなとおり、ユネスコは細心の注意を払って判断を下しており、イデオロギーの決闘に巻き込まれるような真似はしない。

なお、ウクライナ東部では親露派勢力とウクライナ政府との対立が続いており、「ボルシチは我々のものだ」というスローガンは「心理的な観点からは理に適っている」という。ウクライナ政府が親露派勢力に対して用意する戦争行為に比べ、「ありとあらゆる『料理対決』でもって敵意に満ちた国民感情のガス抜きをすることは比較的無害である」とした。

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