米国とスペイン、中国の生物学者は、ハイブリッド形成への障害は存在するのか、そうした方法はあるか、そしてそれを活用することで克服することは可能かといったことをより明確に理解するためにこの研究を実施した。同研究グループの科学技術は長期間にわたり体外でキツネザルのキメラ胚の生命を維持することを可能にした。
生体外で培養されたカニクイザルの胚に対し、研究者らはその生存6日目に胚ごとに25人の幹細胞を注入した。1日が経過した時点で人の細胞が132胚で確認がされた。10日後にはすでにキメラ胚は103個にまで拡大したが、まもなく生存率は低下し始め、19日目までに生きた状態のキメラ胚は3個にまで減少した。しかし、重要だったのは胚の中の人の細胞が、それらが成長を続けた全期間を通じて高い割合を示したことだった。
研究者らは、こうしたキメラ胚が、倫理的観点から人々の中で実施が問題視される研究に活用できる可能性に期待している。実験の次の段階では、研究者らはより詳細に異種間細胞の交換のあらゆる方法を研究することを予定し、その中で生物学的発展の視点から生命に重要なものを見出すとしている。