チェコのミロシュ・ゼマン大統領によると、政府の諜報機関が南東部ズリーン州ヴルビェティツェ地区で2014年に起こった武器庫の爆発について行った調査を行ったものの、ロシアの工作員が爆破に関与したことを示す明確な証拠は確認されなかったという。
この発言を受けてスルツキー外交委員長はSNS「テレグラム」に投稿した中で、ロシアに疑惑をかけたことに対してチェコ政府から謝罪を要求する姿勢を示した。
これだけのことをしたのだから、チェコは少なくとも謝罪をすべきだ。もちろん、プラハに政策決定をするうえで幾ばくかでも主体性が残っていればの話だが。
スルツキー外交委員長によると、ゼマン大統領の発言は「ロシアを批判するだけの現実的な根拠も証拠もプラハに無いことを改めて証明している」という。
これらの行為がいずれも、ベラルーシにおける国家転覆の試みから国際社会の目をそらすために必要な情報の盾にだったことは明白である。米国と欧州全体の素顔を隠すために、小さいながらも、外交上の戦争における輝かしい勝利が必要だったということだろう。
そのうえでスルツキー外交委員長は、ロシアがチェコに加えた報復を念頭において、負けたのはチェコ側に他ならないと強調した。
先にチェコのアンドレイ・バビシュ首相はプラハのロシア大使館職員らが2014年に起こった武器庫の爆発に関与したとして、該当する18人の職員を48時間以内の国外追放処分とした。
ロシア政府はチェコ政府の行動を受けて、モスクワにあるチェコ大使館の人員を対抗措置として削減するよう要請した。ザハロワ報道官はチェコ政府の非友好的措置について言及した中で、「悪夢の中でさえ遭遇しないような応酬を受けた」とコメントした。
チェコ外務省はロシア政府が追放処分とした外交官を帰還させない場合、「対等」になるまでロシア大使館の職員を追加で追放すると表明した。こうした発言に対し、ザハロワ報道官は「ロシアに対し、そうした口調で接することは容認しがたい」と発言していた。ロシア政府からの譲歩が見られなかったことから、チェコ政府はロシア大使館の職員をさらに削減する決定を正式に表明した。ロシア大使館の人員削減は5月末までに実行される見通し。