グリーンランド 南西側の氷床から水銀化合物が検出

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米フロリダ州立大学の環境学者らがグリーンランドの南西側の氷床が急速に溶けだしたために大西洋に有毒な水銀の化合物が流入した事実を発見した。調査結果は月刊の査読科学雑誌「ネイチャージオサイエンス」に掲載されている。

掲載論文には、ロシアの科学者らが10年前、シベリアの永久凍土中に有毒な水銀化合物を発見したこと、またその原因が産業廃棄物や火山ガスが大気によって運ばれ、降水として地面に落ちた結果であると示唆した事実が示されている。研究者らは、永久凍土の融解で有害な水銀が地元の川に流入し、周辺の動物や人々に深刻な脅威を与えていると警鐘を鳴らしていた。

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ところが今度はフロリダ州立大学の環境学者たちの学術遠征で、北極の生態系に極めて危険な水銀源が北極の万年氷であることが明らかにされた。ネイチャージオサイエンスによれば、氷河の融解が特に活発に起きているグリーンランド南西部の海岸で採取された水のサンプルからは、許容量の150倍もの有害な水銀が検出された。この数値はユーラシア大陸の北側の河川の水の数十倍に相当する。

グリーンランドの氷河の水銀についてフロリダ州立大学は、発生源は人間の活動によるものではなく、氷床の下に潜む自然の水銀である可能性が高いとの見方を示している。いずれにせよ、地表の約10%を占める氷河の融解が始まることで、重金属の環境流入の削減はますます困難になる恐れがあると科学者たちは警告している。

スプートニクは、過去5年で地球上の氷河の融解速度が急激に加速したと報じている。

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