日本の海産物、庶民に手の届く価格にしたい!小さなロシア商社の挑戦

寿司 - Sputnik 日本, 1920, 03.09.2021
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モスクワにある、日本との貿易投資を促進する商社「Ryatico」のオフィスを訪問した。数年前に設立され、日本語堪能なスタッフが、日本とのビジネスを拡大させるべく日々奮闘している。日露貿易の対象としてどのような品目が有望なのか、話を聞いた。
日本への輸出品のうち、ロシアのヤロスラヴリのメーカーが開発した、水の中を自由に移動できる「シーバイク」を見せてもらった。自力ではそんなに長く泳いでいられないが、シーバイクを身体に固定してペダルをこげば、両手を自由に使いながら泳ぎを楽しめる。電動アシスト自転車の水中版といったところだ。
日本で、ダイエット目的にフィットネスセンターで試しに利用してもらったところ、好評を博した。ビーチリゾートのレジャー用としても最適で、実際に沖縄県の数社と契約できたが、肝心の観光がコロナで打撃を受けているため、担当者は「来年の夏が勝負」と話す。メーカーからはペダルのない新製品も発売されており、体力の消費を最小限におさえながら海のレジャーを楽しめる。
Ryaticoのイーゴリ・ディアチェンコ社長は「このメーカーは地方企業ということで海外輸出の意欲がなかった。なかったと言うよりは、どういう形で海外進出できるか知らなかった」と話す。このように、ユニークな技術をもちながら、あまり知られていないメーカーや商品を発掘して、積極的に日本に紹介していきたいという。
© 写真 : Asuka TokuyamaシーバイクとRyaticoスタッフの皆さん
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さらに、ペット用オーガニックシャンプーの日本向け輸出の準備が進められている。Ryaticoはロシア企業として始めて台湾に現地法人を設立した。台湾では思ったよりもビジネスがスムーズに進んでいるため、このシャンプーはすでに台湾のユーザーのもとに届いている。家族同然のペットに少しでも良いものを使ってあげたいという思いは万国共通だ。
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ディアチェンコ社長は、「ロシアからの輸出は一歩一歩、日本からロシアへの輸入はアグレッシブに進めたい」と話す。最もアグレッシブに進めているのは日本食品で、未だかつてない規模で食品を輸入することで、価格の低下につなげていくつもりだ。
「日本からロシアへの輸入は、歴史的に、小さな会社が小さなスケール、月に1~2台のコンテナで手がけてきたため、日本のメーカーからすればロシアは面白くない売り先でした。今売っている日本製品や食品は種類も少なく、価格が高すぎます。私たちはその現状を打破し、一か月あたりコンテナ30台~40台を目指します。」
特に海産物については、価格を抑える手段として、マーケットプレイスでの販売を活用する。スーパーに卸すと小売価格が高くなりすぎてしまうため、個人客がネット通販で直接買えるようにするのだ。ロシアにおける食料品のネット通販はコロナ禍で急成長し、庶民の生活に浸透している。
それと並行し、高価格帯の商品も取り扱う。Ryaticoは今月にも和牛の輸入を開始。和牛を扱えるようになるまでの手続きは難しく、日本のパートナーを得て許可を得るまで1年半かかった。季節のフルーツなども航空便で輸送する。
ただし、Ryaticoのこだわりはあくまでも手ごろな価格で販売することにある。ディアチェンコ社長は「高いものを高く売るのは大きな仕事じゃありません。質と価格のグッドバランスの追求こそが、私たちの課題です」と力をこめる。
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