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現代人の脳はなぜ縮小したか  科学が原因を解明

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Un cerveau humain - Sputnik 日本, 1920, 01.11.2021
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米国の科学者が、人間とアリの脳を比較研究した結果、過去3000年の間に観察された脳の大きさが縮小したのは、その機能の一部が集合的な知性にゆだねられるようになったためであるという仮説を立てた。この研究成果は、Frontiers in Ecology and Evolution誌に掲載されている。
現代人の脳が更新世の祖先の脳よりも明らかに小さい理由を解明するために、科学者たちは異なる種のアリのコロニーを並行して調査した。アリのコロニーは、集団での意思決定、分業、共同での食糧生産など、人間のコミュニティと多くの社会的特徴を共有している。
様々な種類のアリのコロニーの規模や構造、また個々のアリが脳で消費するエネルギーを研究で高度に組織化されたコロニーのアリの脳は組織化が進んでいないコロニーのアリに比べて小さいことがわかった。つまり、それぞれのアリの役割が明確に定められており、意思決定が集団の知性にゆだねられている組織されたコロニーでは脳の大きさは縮小する。それは個人レベルではそれほど多量の情報の保管に大きなエネルギーを割く必要がないからだ。
人間とアリを対象にしたこうした共同研究で科学者らは現代人の脳の縮小はおよそ3000年前から始まったと推測できる。これは、人類の社会構造が氏族を中心としたものから部族を中心へと変化し、集団的な知恵への依存度が飛躍的に高まったのがこの時期に相当するためだ。研究の筆者は、人間の集団の知性に依存する傾向はこの先もますます進むことから、大量の情報保管に費やすエネルギー量も縮小し、脳は一層縮小すると予測している。
スプートニクは以前、人間の脳が極めてデリケートな器官であり、宇宙滞在がこれにダメージを与える恐れがあると報じている。
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