中国企業が世界市場に向けたアニメ普及に貢献?テンセントがKadokawaに出資

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日本の総合メディア企業である株式会社Kadokawaは、中国テンセントグループとの資本業務提携を結び、テンセントグループがKadokawaに300億円を出資すると発表した。出資比率は6.86%で、テンセントグループが日本に対して行う最大規模の出資となっている。この提携により企業にはどのような利益がもたらされるのか、またテンセントはどのような目的で日本での活動を拡大しようとしているのか、「スプートニク」が日本研究センターの専門家である陳洋教授にお話を伺った。
テンセントグループ側の払い込み期間は11月15日から26日に予定されており、これによりテンセントは第3位の株主になる見込み。
Kadokawaはこの業務提携に関連し、アニメやゲームの分野での協力の深化を継続し、国際レベルでの日本企業によるコンテンツの普及を促進するものだと指摘している。Kadokawaとテンセントの協力の枠内では、アニメの制作やそのゲーム化に出資される。

海賊版の一掃

日本研究センターの専門家である遼寧大学日本研究センター客員研究員である陳洋教授は、Kadokawaとテンセントによる今後の協力は、間違いなく成功が約束されたものであるとの見方を示す。
「このニュースは日本のメディアでも大きく取り上げられています。中国は著作権の保護と自国の企業の継続的な発展にますます大きな注意を払うようになっています。今後も、Kadokawaとテンセントのような形の業務提携はますます増えていくでしょう。そして、国外のコンテンツを不法にコピーしたサイトや海賊版は少なくなっていくでしょう」。
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Kadokawaの発表によれば、今回の業務提携により、新株式が発行されるが、双方はこれについて、「書籍、実写映画、アニメ、ゲーム、及びUGC(User Generated Content)プラットフォーム等の多彩なポートフォリオから成る豊富且つユニークなIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、それらを世界に広く展開することを中核とする『』グローバル・メディアミックス』の推進を通じ、中長期的見地からの持続的成長及び企業価値向上を図る」ための発展をできるだけ早く開始するものだとしている。
テンセントからの出資、持ち株の増加後も、Kadokawaは会社の運営や事業における独立性を維持することから、アジアの巨大メディア企業2社の提携により現存するプロジェクトの発展に与える影響は軽微とされる。陳洋教授は、Kadokawaとの協力は、「テンセントが日本市場に進出する際の大きな支点となる」と述べ、「将来的に、この2つの企業が日本市場においてさらに深い協力関係を築く可能性も除外できない。今回の出資は、テンセントの大々的な外国市場への進出の一環だと見ることができる」と指摘している。

世界市場に狙いを定めるKadokawa

「Kadokawaについて言えば、Kadokawaはアニメが飽和状態となっている日本の国内市場では、常に厳しい競争を強いられています。ですから、国外市場に進出して行く必要があるのです。テンセントは中国だけでなく、世界の市場においても甚大な影響力を持っていることから、Kadokawaはテンセントのビジネスネットワークを使って、自社製品を国外市場に輸出することができ、自社のビジネスを拡大することで収入増にも繋げることができます。つまり、Kadokawaは、テンセントの『船』を借りて、大洋に漕ぎ出し、収益を増やすことができるということです」。
Kadokawaは、集英社、講談社、小学館に次いで日本で第4位の出版社であるが、出版以外にアニメ映画の制作やビデオゲームの制作を行っている。中国のテンセントにとっても、Kadokawaは非常に有益なパートナーであると陳洋氏は指摘する。中国のアニメやゲーム産業も持続的に発展していることから、より品質の高い製品に対する需要が伸びているという。Kadokawaはアニメやゲームの分野でかなり前から良い評価を受けており、テンセントとの協力により中国市場での影響力や人気をさらに高めることができる。
2014年にKadokawaは、「SEKIRO(隻狼)」、「ダークソウル」、「エルデンリング」などの制作で知られるゲームソフト制作会社フロム・ソフトウェア社を子会社化した。い一方、Kadokawaは「ソードアート・オンライン」、「君の名は」などの有名なアニメ・漫画プロジェクトに対する著作権を有している。
「テンセントとKadokawaの協力関係は、Kadokawaが制作した多くの有名なテレビ作品を使用する権利、また新たなアニメやゲームの制作に日本企業のオリジナルのキャラクターを使用する権利を与えるもので、テンセントにとっては自社のコンテンツをより豊かに、より多彩にすることができるものです。近年、テンセントはゲームの制作で非常によい業績を上げていますが、品質の良いアニメ作品やテレビ作品をそれほど多くは有しておらず、それが企業の長期的な発展を妨げています。ですから、知的所有権の分野におけるKadokawa との業務提携は、自社の製品を積極的に発展させることを促すものになるでしょう」。
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