二国間関係の冷え込み、ロシアにおける日本語学習熱に影響せず 日本ではロシア文学会が学びの継続を呼びかけ

© 写真 : Elena Pautina日本人の学生とロシア人の学生
日本人の学生とロシア人の学生 - Sputnik 日本, 1920, 30.03.2022
日本でロシアについて学ぶ人、そしてロシアで日本について学ぶ人は今、どのような状況に置かれているのだろうか。日本ロシア文学会は、15日付で「ロシアの言葉・文学・文化を今、あるいはこれから学ぶ皆さんへ」と題したメッセージを公式サイトに掲載し、ロシア語やロシア文学を学び続けることの意義について訴えた。メッセージは、ロシア文化の担い手たちは今、「二重の疎外」に瀕していると指摘し、彼らを「さらなる孤独へ と追いやってはならない」と、コミュニケーションの回路を保ち、対話していくことの重要性を強調した。
日本ロシア文学会には、ロシアに対する批判が高まる中、国内でロシア語やロシア文学を学ぶ一部の学生や留学生からは、不安や動揺の声が届いているという。今回のメッセージは、ロシア語を選択してしまったことを後悔、あるいは悩んでいる人に向けてのものだ。
トルストイ小説の翻訳などで知られる日本ロシア文学会会長・中村唯史氏(京都大学教授)は、NHKの取材に答える中で「軍や政府とは関係の無いロシア人たちがさらに孤立することも危惧され、今こそロシアの文化や社会を学ぶ意義がある」と話している。また中村氏は、ロシアやスラブについて学ぶ学生の数が減ったり、ロシア文学の学術交流が途絶えることも懸念している。
一方のロシアでは、ウクライナ危機に伴う二国間関係の悪化で、日本語熱が弱まったということはない。シベリア連邦大学東洋言語学科の副学科長、ユリア・ミハセワさんは言う。

「現在の露日関係の冷え込みは、本学の学生の、日本語を学びたいという希望を冷え込ませるものではありませんでした。日本の文化、技術、生活様式や哲学は、若いロシア人にとって強い興味を呼び起こさせるものです。彼らは日本語で書かれた本や新聞を読んだり、アニメを見たり、その他の日本文化の驚くべきアスペクトを理解したいと願っており、オンラインで仲間と繋がったりしたいのです。まだまだロシアでは読む機会が少ない日本の現代文学をロシア語に翻訳したいと考える人や、日本に関する科学・研究論文を書きたい人もいます。つまり日本に対する興味関心はいつも高く、本学科への入学希望者も常にたくさんいます。日本語が『求められる言語』の枠から外れてしまわないように、そして遅かれ早かれ、もちろん早い方が良いのですが、二国間関係が正常なものになることを願っています。」

サンクトペテルブルクにある私立の東洋語学センター「きつね」代表のアリーナ・キルチギナさんも、いつか日露関係が好転する望みを捨てていない。

「私たちのセンターで、日本語はいつも一番人気がありましたし、今もそうです。今、世界で何が起きているかに関係なくです。日本への興味関心は思春期くらいに、アニメを見たり日本文学を読んだりすることで現れます。それこそ、村上春樹氏の小説が最初にロシア語で出た時、日本と日本語への関心の高まり方といったら、それはもうすごいものがありました。その時から、関心は衰えていないように思います。大学と違って私たちのセンターには、中高生から年金生活者まで、様々な年代の人が学びに来ます。今はオンラインとオフライン合わせて、500人ほどの人が学んでいます。また、文化面だけでなく、経済面でロシアが東方に関心のベクトルを向け始めた頃から、日本とビジネスを行ったり、日本のビジネスパートナーと通訳なしで話したいという人が多く出てきました。日本との関係は冷え込んでしまいましたが、回復の時が来ると信じていますし、老若男女問わず、全ての受講生が、それを願っています。」

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