米国の選択とは2つの戦線での同時開戦 ロシア人専門家

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米中の旗 - Sputnik 日本, 1920, 28.05.2022
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バイデン米大統領のアジア歴訪は結果として米国がロシアとの対立にとどまらず、インド太平洋地域であからさまに中国にたいしても第2の戦線を開く構えであることを浮き彫りにした。露コメルサント紙のマクシム・ユシン評論員はこうした見方を示している。
米国は依然としてこの地域の平和と安定を支持しており、「一つの中国」に対する方針は変わっていない。来日中のバイデン大統領が台湾への軍事支援の可能性について発言したことについて、ロイド・オースティン米国防長官はこのようにコメントした。米国防総省は、米大統領はこれにより「この地域の平和への米国のコミットメントを明確にした」と指摘した。
ユシン氏は、バイデン大統領の韓国と日本歴訪の最大の関心事は、ロシアとの対立が限界に達している一方で、中国との深い矛盾がどこにもない現在の国際情勢の中で、米国がどのような戦略を選択するかという地政学上の問題であったと見ている。
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米国が進める中国「侵攻」

バイデン大統領のアジア歴訪を総括すると、米国は2つの戦線で戦争を行う選択をしている。コメルサント紙は、バイデン大統領は台湾防衛のためならば武力行使も辞さないという殊更厳しい声明で中国をあからさまに煽動した。これに対して中国が抗議を表明したことは十分予想の範囲だった。結果、2つの超大国の間で展開されてきた丁々発止の緊張は新たな段階に入ってしまった。バイデン大統領の声明は明確な目的に沿っている。中国を孤立させ、囲い込んで、最大限抑止するという。これについては岸田首相との会談でも言及されていた。ユシン氏はまさにこの目的で、中国に敵対する全勢力と日本、韓国といった米国の同盟国、そして国力と野心を伸長しつつあるインドを一つにまとめた新たなインド太平洋経済機構が作られようとしていると考えている。その参加国らはそれぞれが経済安全保障において中国への極端な依存を脱却する自国の課題を公言した。
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いきなり、同時に2つの戦線

ユシン氏は、米国が一度に2つの戦線で戦う構えを見せたことについて、ウクライナ方面で困難に直面しているロシアに米国は近いうちに勝利することは間違いないと確信しているためと説明している。だからこそ、米国は明確な目的をもって戦いの矛先を主要な敵の中国に切り替え、中国の周囲に相手の首を絞める経済、軍事の両面の地域同盟を集めたわけだ。
ただし、ユシン氏は、バイデン大統領が中国に対して見せた、あまりにも厳しい姿勢は見方を変えればロシアにとってはよい知らせともいえると指摘する。米国は中国にロシアと同盟を組むよう嗾けた。今や、西側との対立でロシアは今や孤立してはいない。
バイデン大統領の訪日とその際に表され、物議を醸した声明についてのスプートニクの詳細な記事はリンクからお読みいただけます。
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