EUの財源は数十億ユーロのウクライナ支援で枯渇　フィナンシャルタイムズ

欧州委員会ヨハネス・ハーン委員は、ウクライナ危機はEUの財源を枯渇させており、EUは7か年予算の修正を予定より早くせざるをえなくなるだろうとの見方を示した。英フィナンシャル・タイムズ紙が発言を引用して報じた。

欧州委員会によると、2月末以降、ウクライナの経済支援、国家機関、人道目的の支援のために費やした額は40億ユーロを超える。

EUの提案する来年度予算は1856億ユーロだが、ウクライナの要請によってこれより高くなる可能性がある。

経済協力開発機構（OECD）もまた、ロシアの特別作戦によって潜在的に最も影響を受ける国として英国を挙げた。2021年の予測では、英国のGDPは2022年に4.7％、2023年に2.1％成長の見込みだったが、更新された数字では2022年の成長率はわずか3.6％で、来年はゼロ成長となっている。この数値は、金利や税率の上昇、貿易制限やエネルギー価格の上昇などの影響で変化した。

2月24日にロシアが開始したドンバス防衛のための特別作戦を背景に米国とEUは対露制裁とウクライナへ大量の武器供給を続けている。欧米諸国の多くがロシアの資産凍結を発表し、ロシア産エネルギーの禁輸を声高に呼びかけ始めた。その結果、米国とNATO加盟国で経済問題が誘発され、燃料や食料の価格高騰が起きている。