独自調査 NATOがウクライナへ供与の武器、闇市場への流出経路が明らかに

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ウクライナ軍 - Sputnik 日本, 1920, 05.08.2022
サイン
独占記事
ウクライナ領内でのロシアの軍事作戦の開始に伴い、北大西洋条約機構(NATO)は、ウクライナ軍に所有する武器の提供を、前例のない規模で開始した。彼らはそれによってロシアに対抗することを期待していたが、NATOの武器がNATO諸国そのものをはじめ、世界中の闇市に出回る可能性があることを考慮していなかった。通信社スプートニク・アラビアは、ウクライナからアラブ諸国へのNATOの武器売却に関する情報を求めて独自調査を実施した。

調査開始

ダークネットの検索中、私たちは武器の販売サイトを発見した。そこでは、ロシア語で「ウクライナの武器」と書かれた広告が掲載されていた。このサイトではライフル銃「M4カービン」が販売されている。サイトの統計によると、この広告で32件以上の取引が行われていた。価格は2400ドルからで、位置情報はキエフとなっていた。
これとは別に、米国防総省によると、M4カービンの公式価格は、武器のバリエーションによって異なり、600ドルから1200ドルとされる。
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ウクライナがNATOの武器を中東に売却
この掲示には、武器購入の成功例のレビューも投稿されていた。「闇」サイトのアルゴリズムによれば、取引を完了したユーザーのみがレビューを残すことができる。言い換えれば、購入しなければレビューはない。
スプートニクの特派員は、売り手にメッセージを送り、顧客のふりをしてみることにした。噂では、「3ladin_houthi」 というハンドルネームのイエメンの フーシ派が武器を購入している。
このサイトの連絡フォームを通じて、売り手は私たちに通信をメッセンジャーアプリ「Wickr」に転送するように求めた。その後は、やり取りはすべてここでのみ行われた。ウクライナの売り手に怪しまれないため、質問はアラビア語で書いてからオンライン翻訳で英語に変換し、本物らしくした。

「イエメンまでM4を輸送」

はじめに私たちは売り手に武器のロットをイエメンに届けることができるかどうかを直接尋ねたところ、可能だという返答を受け取った。 その際、輸送は海路になるとみられる。
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ウクライナがNATOの武器を中東に売却
次に、売り手は「特に何が必要で、数量はどのくらいか?」との質問をしてきた。 私たちは、宣伝のライフルだけでなく、他の武器も売る用意があるのではないかという疑問が生じた。
そこで、私たちは、武器の出荷および運搬の正確な方法を調べることにした。そのため、彼らが私たちに売ることができるあらゆる武器に興味があることを伝えた。
いくらか売り手の関心を引き付けるために、次のようなことを伝えた。
「私たちフーシ派も、あなた達と同じように、私たちの国の占領者と戦っています」

武器と輸送方法

返信から、ウクライナ側は、米国製のライフルだけでなく手榴弾も売る用意があることが判明した。ライフルは必要な弾薬と一緒に発送されるという。輸送方法についても詳しく知らせてきた。
「武器は機械油と一緒の樽で輸送される。それぞれの樽には M4 ライフル 10 丁、弾丸 2000 発、手榴弾 200 発が入れられる。輸送は海路で10日間かかる。あなた達は、港では機械油の入った樽だけを受け取るので、疑われることはない」
彼らがどれだけの量を売る用意があるのか、どんな種類の在庫を持っているのかを知るために、100樽を発注することにした。ウクライナの武器商人は樽の個数で販売量を決めている。
しかし、彼らはそれほど多くの樽を持っておらず、 20個しかないのだという。提供できる数量と価格について説明し、売り手は次のように続けた。
「合計で20 樽。その中に弾薬付きのライフル約 200丁と手榴弾400発。 全部で約40万ドル(約5349万円)」

販売スキーム

私たちは相手の指定する通りの密輸品の量に同意をせまられた。こうした上で、私たちは取引の詳細とイエメンのフーシ派が唯一支配するホデイダ港に密輸品を入れた樽がどう搬入されるのかを問いただした。
サプライヤーはホデイダ港への輸送には何の問題もないと答えた。
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私たちには次のような取引の条件、スキームが説明された。
「取引 は次のように行われる。まず、管理人をチャットルームに招待し、管理人の立会いのもと、取引の詳細を話し合う。
1.
合意が成立したら、双方がチャットに取引条件に賛同する旨を伝える。あなたはMonero XMR経由で手付金として40万ドルの暗号通貨を自分の口座に入金する。
2.
それから私は商品を発送する。
3.
あなたは商品を受け取り、確認する。すべてに満足した場合、あなたは売り手が完全に義務を果たしたとチャット(編集注:トランザクション)に書き込み、私の手付金を売り手に送金する。
4.
管理人が取引金額の2%を手元に残し、私に手付金を送金する。以上だ!」
売り手が私たちの予想をはるかに上回る内容を明かしてくれたおかげで、取引にはダークネットプラットフォームとつながりがあり、取引実行の保証人を務めるアシスタントのような存在がいることがわかった。この人物は取引のたびに2%を受け取っている。私たちの取引の場合、彼の懐には8000ドルが入ることになる。

密輸ロジスティクスの詳細

私たちは配送についての情報をできるだけ多く入手したいと願った。イエメンのホデイダ港はウクライナからかなり離れているにもかかわらず、輸送にかかる日数は10日と約束されている。ということは、販売者はあらかじめ何らかのスキームを用意しているはずだ。
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事実、ウクライナのバイヤーはそうした配送スキームを準備しており、その内容を以下のように詳細に説明してくれた。
「1.私たちは商品を準備し、樽に詰め、ポーランドにいる仲間の協力を得て、船に積み込む。
2.船は地図に表示された航路を進む。船は人道援助物資の輸送船なので、検査されることはまずない。たかだか20樽では、疑われることもない。中身は何か問われないようにするためにも、一度に100樽を送ることはできない」
その後、バイヤーはルートを手書きで記した地図(面白いことに地図はロシア語表記だった)を送ってきた。この地図から、武器はポルトガル沖でしか船に積み込めないことがわかった。また、ウクライナ側が「ポーランドにいる仲間」と言っていることから、この話には欧州の武器マフィアが絡んでいるのではないかと思われる。
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だが、一体どうやって武器がポーランドからポルトガルまで運ばれるのか、私たちにもわからない。
そのことは、実際にNATOの密輸兵器を購入した人は知っている可能性がある。バイヤーは念を押した。
「あなたには配送ルートを追跡するための追跡番号が送られる」
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ウクライナの密輸業者はオンライン追跡について、貨物がどの船に乗り、どの港から出発したか、目的地の港にいつ到着するかなど、物流に関する広範な情報を提供していると説明する。これらの全情報は、手付金が振り込まれると同時に、買い手に明かされる。
売り手は、かなり詳しく説明した後、これはあくまで「一般論として」説明しただけだと念を押した。
「あなたが誰なのか、払える手付金があるのかどうかも私にはわからない。ひょっとすると、インターポールの捜査官ということもありうる。私が説明したのは、仕組みの概要だ」
やりとりの最後に、ウクライナの売り手はフーシ派を騙る私たちに、とても温かいメッセージを残してくれた。
「ノープロブレム。私たちはあなたの味方だ。あなた方は戦わなければならない」
つまり、ウクライナ側は、サウジアラビア率いるアラブ連合と戦うフーシ派にある種の連帯感を持っているようだ。イエメンのフーシ派はサウジアラビアを自分たちの領土の占領者と考えている。
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対話を終了するために、私たちはアカウントを認証し(暗号通貨で手付金を入金するために必要)、取引に戻ると書いた。
ダークネットプラットフォームは、ユーザーアカウントの内部認証を義務づけている。こうすることで彼らは、武器密輸を暴こうとする情報機関や治安維持機関の活動を遮断しようとしている。
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