無人機争い、北挑戦の脅威

© AP Photo / Kirsty Wigglesworth, File無人機争い、北挑戦の脅威
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朝鮮民主主義人民共和国は先週、韓国領空に無人機を飛ばし、再び騒動を巻き起こした。この無人機だが、撃墜の試みにもかかわらず、無事帰還している。ただし今回、韓国軍部はレーダーであらかじめ無人機を発見しており、諜報行為を許すことはなかった模様だ。ただしこの無人機潜入事件で韓国は再び、自国領空が果たして本当に侵犯し難い状態にあるのか、考えざるをえなくなっている。しかも前回の痛い経験は憂慮すべき問題があることを明るみにしたからだ。

北朝鮮の無人機がマスコミに取り上げられるようになったのはつい最近のことではあるものの、実際に軍備に入れられてからはすでに四半世紀あまりの時間が経過している。米軍事アナリストのジョセフ・バームンデズ氏の調査によれば、北朝鮮初の無人機は80年代末中国で購入された。韓国の諜報機関によれば、北朝鮮は1993年末にかけて国産の無人機の製造に成功している。北朝鮮製の無人機「パンヒョン」および「パンヒョン2」は中国の無人機の改良バージョンで今日に至るまで北朝鮮の無人機航空団の基礎を成しているとされている。そのほか、これを基礎としてすでにその時点で、核兵器ないしは生物兵器の運搬する最初の攻撃用無人機の製造実験が行なえていた。

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2005年、韓国の諜報機関は北朝鮮の有事の際の行動を詳しく記した資料を入手した。それによれば、軍部指導部は偵察衛星および無人機から得られる諜報情報を元に、地下壕から指令を下すことになっている。2010年、韓国国防省は黄海上の境界線ゾーンで不審な有人飛行機を確認したことを明らかにした。この飛行機はどうやら北朝鮮の砲兵団の射撃結果を管制し、それに対し、境界線に近い諸島に配備された韓国軍部隊の反応を覗っていたようだった。2012年2月、聯合ニュースが軍部の消息筋情報として報じたところによれば、北朝鮮は米国がミサイルシステムのテスト用に開発した無人機MQM-107 「ストリーカー」を土台にした攻撃型超高速無人機の開発を行なっている。消息筋によれば、「ストリーカー」は中東のどこかの国で入手されたもので、おそらくシリアかエジプトだろうとされている。この北朝鮮バージョンは2012年、ピョンヤンの軍事パレードの際にお披露目されているが、外見は米国製のそれを多少想起させるものの、かなりの部分作りかえられている。ところが実際には、北朝鮮の無人機が実際に韓国に恐怖感をもたらすことは2014年4月まではなかった。2014年4月、韓国領内で小型の無人機が3機墜落しているのが発見。無人機はソウルの大統領府の建物をも含む、韓国の戦略的な要所のおびただしい数の写真を誰にも見つからずに行なっていたことが発覚。これらの3機は一定の場所でGPSを使って撮影を行ったあと、北朝鮮へと帰還するようプログラミングされていたのだが、ミッションを終えて帰る途中、単なる燃料切れを起こしてしまったらしい。

この事件の後、北の無人機は事実上、韓国のあらゆる施設に対し、奇襲を行えるのだという危惧感が生まれた。韓国軍部はこれについては、攻撃を行えるのは攻撃用無人機であり、発見された小型機の動作範囲は限られており、3-4キロを超える弾薬を搭載することは不可能なことから、特に通常兵器と比べた場合、深刻な害を与える危険性は極めて少ないとの見解を表した。北の無人偵察機が発見された後、韓国は北の無人機、偵察機の侵入を防ぐため、低空飛行標的発見のための通信ロケーションシステムを展開した。ところが2015年に起きた事件によって、このシステムも完全なものではないことが露呈されてしまった。北の無人機は早期発見にもかかわらず、韓国領空を数百メートルに渡って飛行し、監視ポインドの撮影に成功してしまったからだ。しかも領空侵犯を受けて発射された爆撃機、ヘリコプターも即時に無人機を発見することは出来ず、無人機は何事もなく帰還してしまった。

1月13日、韓国軍部の取った行動はそれより格段に効果的なものだった。韓国軍は北の無人機の侵入を2メートル以上は許さなかった。それでも今回成功したからといって、この先も同様に効果の高い行動が100%行なえるという確証はない。しかも北の無人機プログラムについて我々はかなり多くのことを解き明かしていない可能性も十分ある。そもそも北の軍備の切り札など、誰が知ろうか?

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