中国、無人機の大量利用に向け準備

© AP Photo / Ng Han Guan中国、無人機の大量利用に向け準備
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米国の複数のマスメディは、無人機の操縦士を養成する民間学校が中国に多数できていると報じた。その数はすでに40を越えており、新規開校も続いている。

この情報について、スプートニク記者は、ロシアの軍事専門家、ワシーリイ・カーシン氏に意見を聞いた。以下その意見を、まとめてご紹介する。

中国の法律によれば、120メートル以上の高度を飛ぶ能力を持った重さ7キロ以上の無人機を操縦するためには、特別のライセンスが必要だ。民間経済部門において、3D(3次元)地図の作成、安全保障領域及びいくつかの種類のエンジニアリング業務でサービスを行っている企業、さらには消火作業など多くの領域では、無人機操縦のプロが求められている。

無人機、米国の道路の一部を呑み込んだ巨大な穴を撮影 - Sputnik 日本
無人機、米国の道路の一部を呑み込んだ巨大な穴を撮影(動画)
しかし小型で一般の人達も入手可能な無人機(ドローン)でさえ、ウクライナ東部での危機が示したように、軍事目的でも使用可能だ。ドンバス紛争では、双方ともに予算や武器が不足していたため、一般に売られている普通の無人機を幅広く利用していた。その助けを借りて、敵の陣地を偵察したり、大砲の照準を合わせたり、受けた損害を判断したりしていた。安価な一般販売用ドローンが現れ、それらを操縦できる熟練した人間が多数登場した事で、ウクライナ東部における紛争の様相は一変した。ドローンが使用され始めてから数カ月後には、殆どすべての大隊が、自分達の無人機部隊を持つようになったのだ。

安く手に入る小型のドローンは、大きなリスクを冒すことなく偵察・諜報活動をこなす事ができる。この事は、双方の戦術に大きな影響を及ぼした。例えば、砲兵は、できるだけ迅速に、自分達の居場所を変えなくてはならなくなったし、カモフラージュに特別の注意を割かねばならなかった。

そうこうするうちドンバスの義勇兵の側は、ドローンによる脅威の度合いを下げるため、徐々に電子戦を組織し始めたが、ドローンの脅威は完全には無くならなかった。また、一般用ドローンを、小型爆弾を投下できる兵器に変えようとする試みもなされた。しかし大きな成功は収められなかった。

一般に売られているような比較的簡易な無人機でさえ、軍事用にも転換可能な技術とみなす事ができる。商業用の無人機を大量に生産し(中国は、その生産数で世界第1位だが)それに合わせて、無人機を操縦するたくさんの専門家を養成する事は、それ自体、軍事上極めて重要な資源の動員だ。もし中国が、それを利用しないとしたら,おかしなことである。

安いドローンを大量に使用するというシナリオは、米国の懸念を呼び起こしている。米国は、ドローン・スウォーミング(drone swarming:ドローンの群れ)技術の実験を積極的に行っている。その研究の中で明らかになったのは、何十機ものドローンの群れは、軍事艦船が対ミサイル防衛システムを克服する極めて大きなチャンスを持っているということだ。そのうえ、ドローンにかかる費用は、巡航ミサイル一基の値段よりも安く済む。

今のところ、長期的に見て、ドローン操縦の専門家が職業として成り立つのかどうか、それは分からない。人工頭脳やセンサーの発達により、遠距離から操縦するタイプの多くのドローンは、完全に自動的なものに取って代わるだろう。新型ドローンは、設定されたプログラムに従って自分で飛行し、衝突を避け、障害物をよけ、最も適したルートを選ぶ能力を持つ事だろう。そして軍事分野での、ドローン使用は拡大の一途をたどるに違いない。

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