21:29 2020年10月20日
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韓国から北朝鮮入りを試みたとされる韓国人男性はなぜ北朝鮮の軍人らに殺されたのか。この事件についてスプートニクは慶尚大学校のパク・チョンチホリ(朴钟喆)教授に見解をたずねた。

「現時点では明かされているがどの程度事実に即しているかはわからないため、実際には我々は情報機関の発表で明らかになった部分のみ検討していることになる。だがすでに事件には人間に対する犯罪というレッテルがはられた。といってもこれは我々の受け止め方であり、実際何があったのかは別の話だ。

私の知る限りではこの人物は海中に一昼夜以上漂っており、死の瀬戸際にあった。これまでに北朝鮮でどんな政策がとられていたかを考えれば、(編集部注:数年前に脱北した男性が漢江下流をたどり、韓国を脱出して国境近くにある北朝鮮の50万人都市ケソンに潜入した後、この都市は3週間の完全な都市封鎖状態に置かれた)男性を発見した北の兵士は、北朝鮮に故意にコロナ感染者が送り込まれたと思ったおそれがある。

このことからも、今回の対応は理には適っている。 (編集部注:韓国の超保守的インターネット社会では以前、コロナウイルスを付着させたドル札を風船に付けて北朝鮮に飛ばし、混沌状態にして体制崩壊を起こすという案が検討されたことがあった) 。北朝鮮は人道的目的での救済にそれほど心を砕く国ではない。コロナウイルスに対してどれだけ戦々恐々としていたかを考えれば、こうした反応もありうる。

これに付け加えて、捜査でこの人物についてさらに詳細が明らかになるだろうと思う。韓国大統領も声明ですべての詳細を公表する必要性を強調した。北へ逃走した理由が説明された場合、男性の親族の抵抗を招く恐れはある。パク・ワンジャさん事件(編集部注:金剛山で北の軍人に射殺された韓国人女性。事件後、南北間の観光プロジェクトは一時中断した)でも、この女性が精神病院で長い闘病を送っていたことが後日わかっている。こうした人々には北朝鮮への観光旅行を許可してはいけないことになっていた。パク・ワンジャさんは夜明けに散歩にでて、軍事警備所をいくつか通過していた。彼女に向かって何度も『止まりなさい』と命令がかけられたが、逆に走り出してしまった。この事実を政府が公表した後、彼女の親族は恥をかかされたと苦情を呈している。

北への逃亡も深刻な精神障害と関連があったかもしれない。こうした問題を抱える人々は自殺に至るまで様々な考えに陥ることがあるが、そうした場合にこれを熟慮の上での自殺または逃亡ととらえてはならない。ただし韓国大統領府が直ちにこうした声明を表したということは、親族側からのクレームはなかったということだろう。少なくとも韓国大統領は国民に状況を全て知らせるよう指示したため、政府は諜報機関の調査は現段階では確証がとれていないものの、その調べに基づいて事件を説明したわけだ。この事件については北朝鮮指導部は大きな注意を向けなかったと考えるべきだと思う。おそらく、韓国のスパイに伴って潜入しうるコロナウイルスに慎重に行動すべきという全体的な指示は出されていたのだろう。そこにもって、ほとんど瀕死の状態の人間が泳ぎ着いた。だから下級レベルではこれをすでに人間とは見なさず、焼却処分にしたほうがよいと判断した。これは指導部の指示によるものではなく、北朝鮮が感染に対して極度に弱い状態にあるからだ。北朝鮮はCOVID-19が明らかになった段階で世界に先駆けて外界との接触を遮断したことを思い起こしてほしい。このことから今回の事件はこうしたコンテキストの中で受け止めねばならない。」

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