06:05 2021年09月24日
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中国の調査実験所サウザン・マリン・サイエンス、エンジニアリング広東ラボラトリー、中国船舶工業集団(CSSC )は、2022 年までに中国は初の自動制御船舶を建造すると明らかにした。船舶は空、海上、海中の様々な無人装置を自動制御することができる。

短い情報ではこのプロジェクトは当初から平和目的で使われ、調査用だとされている。

この自動船は、正確な海洋学的・気象学的データを収集するためのインテリジェント・モバイル海洋立体観測システム(IMOSOSOS)の一部となる。中国は2019年にこのシステムのプロジェクトを開始した。米国でも同様の米国統合海洋観測システム(IOOS)が作られ、運用されている。国連では1991年からグローバル海洋観測システムのプログラムを実施しており、日本をはじめとする多くの国が海洋データの収集に参加している。国際プログラムには、一連の国で開発された自動化海洋観測システムが使用されている。

だがこの中国のプロジェクトには軍事目的の運用もありうる。なぜなら中国船舶工業集団(CSSC )は中国では最大級の軍艦造船所に数えられているからだ。 同造船所ではType 054A型フリゲート056 М型コルベットが造られている。

軍艦隊にとって自動制御船がなぜ最優先的に重要なのか。これは乗組員が一切不要だからだ。造船はさっさと進むが、乗組員の養成はそうはいかない。コルベット艦の建造サイクルはおよそ1年半。これに比べ水兵の養成期間はおよそ2年。下士官で4~5年、 一等航海士は10~15年かかる。これが理由で艦隊の造船を急速に進めると人員確保が間に合わなくなってしまうのだ。

無人自動艦の制御は、沿岸の司令部から可能。しかも1か所の司令部で同時に複数の船の制御ができる。複数の自動運転船であっても陸上基地で1つの技術チームでメンテナンスや修理を行うことができるため、乗組員の養成の必要性は激減する。

主な長所

この船が持つ空、海上、海中の無人装置を自動制御する能力は戦略的優位を一段と高めている。

一例として挙げると、無人航空機をレーダー偵察や標的を定めるために使用することで、船自体は探知から完全に姿を隠すことができる。最新のステルス船は敵のレーダーにはほとんど映らない。ただし搭載のレーダーの放射線は簡単に探知されてしまう恐れがある。それでも無人航空機が兵器を搭載し、ある一定のエリアであれば敵艦を探知して、単独で攻撃することができる。

海上の機器も魚雷や対艦ミサイル等、様々な搭載兵器を使って、離れた位置から敵を攻撃することができる。

水中車両は、アクティブソナーや水中受動音響装置によって敵の潜水艦を探知することができる。また、ここ数十年、米国をはじめとした多くの国で様々な型の海中地雷を検出するソナーやレーザーシステムが造られてきた。最初のサンプルの試験は2000年代初頭にはもう実施されており、これに類似した技術はすでに中国も保有しているものと思われる。

自動制御艦の用途は哨戒から敵艦隊の大規模な編隊への集中攻撃までと実に広範にわたる。

無人船のデメリットは?

とはいえ、無人船にもデメリットはある。船には乗組員がいないため、故障、損傷は発生した場合、迅速に修理ができない。修理のためには船を基地に戻すか、船にヘリから技術チームを下ろすことができるポイントまで誘導せざるを得なくなるだろう。

つまり、無人船は乗組員が乗船する船よりもサバイバル度が低く、損傷による沈没の恐れがある。船にダメージを与えるのは敵の砲火だけではなく、海も同じだ。激しいしけは時として敵よりも危険だ。

全体から察するに、どうやら中国には様々な無人機を制御できる無人自動制御艦の開発に有望なコンセプトがあるようだ。こうした造船の目的はそれを通じて必要な経験を積み、自動制御艦の能力、特性をより明確化することにあると思われる。こうした作業は迅速に進めることができるものの、2030年代までにロボットコルベット艦の試作用第1艦が登場する可能性は低いだろう。

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