19:08 2021年03月08日
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ミャンマーでのクーデター (30)
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ミャンマーでクーデターを起こした軍部は1年後に新たに大統領選挙を実施する構えだ。現在、非常事態体制がとられ、一時的にミンスエ副大統領が大統領の責務を担っている。

通信社「スプートニク」は、専門家にこの事態の解説を求め、今後1年で状況はどう進展するかについて伺った。

軍部の不満の原因

2020年11月、ミャンマーで選挙が行なわれ、その結果、国民民主連盟が確固たる勝利を得た。軍部は選挙結果を受け入れず、しかるべき措置を講ずると表明した。

国民民主連盟はこの選挙で圧倒的多数を獲得し、両議院で396議席を得ている。同時に、軍部を代表する政党の議席はわずか33だった。

スプートニクのインタビューに歴史学博士で東洋学研究所の専門家のドミトリー・モシャコフ氏は、これを軍部は驚くほど壊滅的な状況と評価し、国民民主連盟が各地の投票でさまざまなトリックを行なったとみていると強調した。

「ミャンマーでの軍部の役割は非常に高く、彼らは自身を国家の唯一の軸であると思っている。ミャンマーは多民族国家であり、たくさんの民族が暮らしている。彼らのそれぞれが定期的に独自の国家像を構築しようとし、また軍部は国家統一の保証として振舞った。そのため軍部は、選挙での惨敗を信じ難い侮辱として受け取った。これだけの少数しか彼らを支持しなかったのは、『面目を潰された』に等しい。これは軍にとって大きな驚きだった」。

今後のミャンマーの情勢を左右するものとは?

モシャコフ博士は、現状の多くは、軍部が今後の選挙に国民民主連盟の参加を承認するのかに関連すると強調する。「もし認めるのであれば、それは民主主義への完全な回帰となる。そして国民民主連盟と軍部との間の微妙なバランスが復活することになり、この点は重要だと言える。米国のオバマ元大統領は何度もミャンマーを訪問した。彼はアウンサンスーチー氏と面会し、この国の民主主義のプロセスを、米国政府の自身の任期での最大の功績の1つとして注視した。国民民主連盟のリーダーは現在、自宅監禁状態にある。今後、軍部がスーチー氏と合意しようと努め、新しい選挙の実施で許容可能な妥協点を見出そうとする可能性がある。だがそれは脆弱であり、しかし、彼らの間の妥協点は現状を緩和し、クーデターに対する西側の否定的反応を落ち着かせる何らかの力となる」。

しかし、軍部は、選挙で勝利し、同国の指導的な政治勢力となった国民民主連盟を禁止するおそれもある。そしてその場合、軍部の権力の強化と民主主義の原則からの逸脱という、事態の違った進展を迎えることとなる。

ASEAN諸国と国際世論の反応

モシャコフ博士は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の政治は原則に沿って築かれており、それは互いに内政には干渉しないというものだと指摘する。同博士は、しかし米国にとってミャンマーのクーデターは、大きな失敗と言えるとし、次のように語った。「特に現在、ホワイトハウスには、ようやくバイデン氏を新大統領とするオバマ氏の『古いチーム』が復帰した。当時オバマ政権は、ミャンマーの民主化の普及で非常に大きな役割を果たした。この国で『民主主義の花』が開花したのは数十年にわたる軍の統治後だった。そして新たなクーデターは米国にとって大きな失望であり、ミャンマーの人たちの民主主義の権利にとっては焦眉の懸念材料となる」。

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