韓国の難しい選択:中国につくか、米国につくか?

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韓国の難しい選択:中国につくか、米国につくか? - Sputnik 日本
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アジア太平洋地域の12カ国は、環太平洋経済連携協定(TPP)について大筋合意した。これは米国、オーストラリア、東南アジア諸国などが参加する最大の自由貿易協定で、人口8億人、世界経済の40パーセントを占める経済圏になるとみられている。一方で韓国はまだTPPには参加していない。なぜならTPPに対する韓国の関係は現在、非常に複雑だからだ。

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約1年前、韓国はTPPへの参加を積極的に表明した。韓国を駆り立てたのはまず、韓国の対外経済戦略だ。韓国の対外経済戦略は、できるだけたくさんの自由貿易協定を締結し、全ての地域統合プロセスに積極的に参加することを目指している。これらの立場に立脚した場合、韓国のTPPへの参加は完全に正当化されるものであり、加えて米国も支持していた。韓国と米国は、韓国のTPPへの参加について盛んな議論を行った。韓国がTPP最初のメンバーとなることが予想されたが、そうはならなかった。

与党は、近いうちに韓国がTPPに加盟することを望んでいるようだが、野党の政治委員会の委員長は、もしかしたらTPPは中国を押さえ込むために米国が利用している可能性があるとして危惧を示し、加盟を急がないよう呼びかけている。韓国のTPPへの加盟を思いとどまらせているものは何か?韓国経済の専門家スヴェトラーナ・ススリナ氏は、ラジオ「スプートニク」に次のように語った-

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「韓国を思いとどまらせているのは、まず韓国の主要な経済パートナーである中国が入っていないことだ。中国は、韓国への投資の主要部分を占めている。そのほか韓国は現在、経済問題を抱えている。韓国経済には近代化や抜本的な改革が必要不可欠だ。そのためには多額の資金の投資が求められる。韓国はその資金の大部分を、まさに中国から得ることができるのだ。そのため韓国の中国依存は、中期的展望において十分に強くなるだろう。一方で、韓国のTPP加盟が、中国の利益との衝突を引き起こすのは必然だ」。

日本の安倍首相は、将来的な中国のTPP加盟にある種の戦略的意味合いを見出し、これを支持した。一方で韓国は、中国の将来的なTPP加盟に確信を持っていない。米国のオバマ大統領は、世界経済の原則を確立するのは米国であり、中国ではないと発表した。これは日本の首相とは異なり、米国の大統領は中国のTPP加盟を望んでいないということを意味している。ススリナ氏は、しかし世界第2位の経済大国である中国を無視することは単に不可能であり、韓国はそれを考慮せずにはいられないと述べ、次のように語っている-

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「韓国では現在、TPP加盟の全てのメリットとデメリットが非常に詳細に検討されている。私は、韓国が急いで答えを出すことはないと確信している。韓国と中国の年間貿易総額は約2350億ドル。韓国と米国の年間貿易総額は約1000億ドルだ。中国市場を失うことは、韓国にとって大きな痛手となる。なお、いま中国、日本、韓国の間では自由貿易圏について話し合いが行われている。3カ国は10月末に重要な段階に入る見込みだ。これら全てを考慮した場合、韓国の前には今、中国につくのか、それとも米国につくのかという、難しい問題が立ちはだかっている」。

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