バイカル湖の水で中国人の渇きを癒す

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シベリア、バイカル湖の水が、中国の人達の渇きを癒すことになるかもしれない。バイカルのきれいな天然水の供給に取り組むのは、北京の国際貿易会社「地球の井戸」で、今年春、ロシア連邦構成主体の一つブリャート共和国政府と合意を結んだ。ロシアのプロジェクトを通じて、この北京の企業は、中国の瓶入り飲料水市場で首位の座を目指し、さらに外国市場での自分達の地位を強化する考えだ。「地球の井戸」という商標(トレードマーク)は、すでに世界12カ国において、英語と中国語で登録されている。

東シベリアに位置するバイカル湖は、世界最大の淡水湖とみなされている。そこには、2万3千立方キロメートルもの淡水が蓄えられているが、この量は、ロシアの全ての淡水の89%、世界ではその20%にあたる。バイカル湖の水は、特別きれいなだけではなく、独特の美味しさがある。それは、バイカルでは湖の底まで、酸素が十分行き届いているからだ。それゆえ、人間の身体が補給する水として最も適している。バイカル湖の水が、昔から「生きた水」と呼ばれているのも、決して偶然ではない。バイカルの水は、市場で、プレミアム・レベルの飲料水としての評価を得ている。

「地球の井戸」社は、中国の投資で作られ、年間200万トンのボトル入り天然水の生産を見込んでいるが、生産量は徐々に増やしてゆく予定で、まず2016年には生産量は年間5万トン、2017年までには、その10倍の50万トンに、そして2020年までに、工場はフル稼働に移って行く事になっている。なおすべての製品は、輸出用となる。工場で働く人々は約500人で、地元の人達が優先的に採用される。プロジェクト全体の総額は、16億ルーブル(現在のレートで約2300万ドル)と見積もられている。バイカル湖の水を利用して飲料水を供給する事業への中国側の投資について、多くの専門家達は、誤りのない確実なものと評価している.ロシア非アルコール飲料(ソフトドリンク)製造者連盟のドミトリイ・ペトロフ連盟長は「この製品の有望性は、世界の天然水の中でも最もきれいなものの一つであるバイカル湖のブランド力だけではない」と指摘し、次のように続けた-

「中国では、ロシア産のものは、特にエコロジー面において、中国のものより質が高いという認識が出来上がっている。それゆえ、飲料水を含め、ロシア産の食料品は、中国では、プレミア・クラスの地位を得、多くの需要が見込めるだろう。地理的な近さを考慮するなら、少なくともバイカルから中国北部に供給すると考えれば、輸送経費は高くない。これは重要な要素だ。輸送経費は、小売価格のほぼ半分を占めるからだ。」

バイカルの天然水の競争力が優れている事は、明らかだ。しかし、ペトロフ連盟長は「プロジェクトが商業的に成功するかどうかは、保証できない」と慎重だ-

「商品が出回るためには、たくさんの事をする必要がある。そこでは数々の問題が生じるだろう。中国側とプロジェクトに関するプロトコールに署名しても、例えそれが法律的義務を負ったものであっても、実際に供給まで至るまでに、少なくない問題がある事を私は知っている。様々な理由によって、事はそう簡単にはいかない。それゆえ、バイカルの天然水を中国に輸出するというプロジェクトの成功については、供給が始まった後に、おまけにそれがテスト供給でなく、事業規模で始まって初めて、申し上げる事ができる。今のところ言えるのは、プロジェクトには成功する大きなチャンスがあるという事だけだ。」

一方、ブリャートではすでに、将来の会社のために、生産部門の準備とバイカルの水をくみ上げる作業に向けた準備が始まった。電力供給の問題、そしてバイカルの天然水を中国の消費者に運ぶ鉄道の支線建設の問題が、解決されようとしている。

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