19:26 2020年05月29日
経済
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ロシアを含む主要産油国でつくるOPECプラスは、2020年5月から6月に日量970万バレルの減産で合意した。「スプートニク」は、新型コロナウイルスのパンデミック下にある世界経済にとって、この合意がどのような意味を持つのか、専門家の意見を聞いた。

「インスタント・インベスト」社の金融市場およびマクロ経済分析ディㇾクター、アレクサンドル・ティモフェエフ氏は、現在の原油価格でOPECプラスの合意が経済に与える将来的な影響を評価することはかなり難しいとの考えを示し、次のように述べている-

「今回の合意における減産は、いまのところ言葉の上だけのものであり、急速な経済的効果は持たない。原油の需要は大きく落ち込み、さらに壊滅的な水準にまで下落するおそれがあるというのが現実だ。この動きが、あらゆる国の今後の経済成長にとって原油への投資を疑わしいものにしている」。

原油市場における2大大国であるロシアとサウジアラビア(両国の意見の相違からOPECプラスの前回の合意は決裂した)は、新型コロナウイルスをめぐる状況と原油の需要減がまだこれほど危機的ではなかったとき、協調減産について合意できなかった。

国際ジャーナリストで政治学者、雑誌『グルーバル政治の中のロシア』編集長のフョードル・ルキヤノフ氏は、今日ではこれらの国だけでなく、すべての原油産出国が非常に深刻な状況にあるため、非常に迅速にOPECプラスの新たな合意を取り決めるという考えが生まれたとの見方を示し、次のように語っている-

新型コロナウイルスの疫学的状況がどのくらい続くのか、どのような経済的損失がもたらされ、どのような速度で経済が回復するのかを知っている人は、おそらく世界中に一人もいないだろう。不確実性が非常に多いだけに、OPECプラスの新たな合意は間違いなくみんなにとって有益だ。これは、パンデミックの少なくとも1つの破壊的な経済的要因である原油の問題を片付けるまたは減らすという試みだ。しかし、今日のOPECプラスの新たな合意が、価格の急速な安定と上昇にとって十分かどうかが明らかになるのはだいぶ先になる。今日の危機における需要の低下は先例のないものであるため、原油需要の崩壊を補うために行う生産者の原油削減の努力は、すでに時機を逸しているおそれがある」。

ティモフェエフ氏は、シェールガス革命のおかげで世界の主要産油国の1つとなった米国もまた、OPECプラスの新たな合意に関心をもっているが、現在の危機における原油価格に対する米国の戦略は極めて矛盾しているとの考えを表し、次のように語っている―

「米国政府は、シェールガスに期待した自国の石油企業が次々と破産するのを避けるため、原油価格を過度に下落させないという難題を抱えている。一方、原油価格の高騰も好ましくない。なぜなら、安価な原油は最終的に輸送コストを抑える。これは危機の時にはきわめて重要であり、弱体化した経済を助けることができる」。

いずれにせよ、冬季の原油価格への回復は期待できない。なぜなら新型コロナウイルスが世界経済に及ぼす影響がわかるのはまだ先のことだからだ。最上の場合で、世界の国内総生産(GDP)が長期の景気後退から抜け出し、最悪の場合は、経済成長はマイナスを示すことになる、とティモフェエフ氏は考えている。

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OPEC, 石油
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