第3次補正予算案は日本経済を救うものになるのか、あるいは危険な罠なのか?

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日本政府は新型コロナウイルスの影響を受け、一般会計総額が過去最高となる2021年度予算案を承認した。歳出は追加予算によってさらに膨らむものと見られる。「スプートニク」はロシアの雑誌「エクスペルト」の財政アナリストであるアンナ・コロリョワさんに、菅内閣が閣議決定した記録的な歳出は根拠があるものなのか、また日本経済に危険をもたらす可能性があるのか尋ねた。

コロリョワ氏は、日本の経済指標は、かなり以前の景気低迷の時期に悪化しはじめたが、新型コロナウイルスの感染拡大はこれをさらに深刻化させたと指摘する。国の経済への追加的対策という戦法が取られるのはこれが初めてではなく、菅内閣の提案も新しいものではない。

さらにコロリョワ氏は、こうしたやり方には根拠があるだけでなく、今のような複雑なコロナ禍の状況においては必要不可欠なものであることから、日本の首相であれば誰であっても、同様に対応しただろうと指摘する。「アベノミクスに対しては批判もありますが、新型コロナウイルスの感染拡大が始まるまでは、日本の経済指標は少しずつ改善していました。今、世界で、このコロナ禍の経済をどうやって正しく救うことができるのかどうかを正確に答えられる人はいません。2020年のマクロ経済指標と経済損失を評価できるのは、2021年の春ごろになるでしょう。日本は厳しい状況にありながらも、世界の主要な経済国であり続けています。ただし債務は非常に膨大です。しかし、日本の債務は自国の国内投資家に対するものであるということを考慮すれば、問題はそれほど深刻ではありません」。

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3月までの2020年度第3次追加予算案は当初の計画である102兆6,600億円から、過去最高となる175兆6,900億円にまで増加した。さらに年間の新規国債発行額は初めて100兆円を超える。

国内観光の需要喚起を目的としたGoToトラベルは、一時停止されたが、コロリョワ氏は、このことで現在の内閣を責めることはできないとの見方を示している。「観光業に重点を置いている国は、現在、どの国も前代未聞の損失を被っています。日本にも、予想もしない“黒鳥”が舞い降りたのです。経済対策のための財政措置を講じるという伝統的な手法を取る以外に日本政府に他の選択肢はありません」。

またコロリョワ氏は、もし日本政府が歳出を増大しなければ、経済崩壊を招く可能性があるとも指摘する。「日本は輸出の度合い(第一に自動車産業)が高く、またハイテクの占める割合も非常に高いため、これは国内だけでなく、国外でも同じ状況と言えます。日本の輸出品は非常に需要が高いですが、自動車製造業においてはしばらく想定内の落ち込みが見られるでしょう。輸出量が減少し、国内外の需要も低下します。こうした中、経済に資金を投入する以外に、政府が取り得る方法はありません。他の国も同様の策を講じることになるでしょう」。

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